2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of cooking conditions for hypoallergenicity of flour products and examination for oral immunotherapy
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26750026
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
赤石 記子 東京家政大学, 家政学部, 講師 (70459593)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小麦粉 / スペルト小麦粉 / 調理 / 食物アレルギー / 低アレルゲン化 / 発酵液 / 麹 / ヨーグルト |
Outline of Annual Research Achievements |
食物アレルギーを持つ子どもは多く、中でも小麦はパン、菓子類、ソース等、子どもが好む製品に多く使用されている為、代替食品に苦慮している。最近では症状が出ない程度に原因食物を摂取し続けて耐性獲得を目指す、経口減感作療法が進められており、低アレルゲン化された食品を利用することで、治療の進展につながる事が期待されている。しかし、小麦粉製品の調理加工による低アレルゲン化についてはまだ未解明な部分が多く、調理条件による抗原の変化を明らかにすることは喫緊の課題である。本研究で得られた成果を低アレルゲン化製品の実用化に発展応用させ、アレルギー児と保護者のQOL向上を目指すことを目的とした。 調理試料はクッキーとルウ(ソース)とし、使用する小麦粉は普通小麦と普通小麦の原種で、良好な嗜好性と抗酸化性の高いスペルト小麦とした。試料の調理工程において、これまでの研究でパンの発酵種に使用し、抗原量の低下が期待できた発酵液(ヨーグルト、麹)で予備発酵させた小麦粉バッターを原料にクッキー及びルウを調製し、外観、物性変化、抗原量(ELISA法)の測定を行った。 普通小麦粉及びスペルト小麦粉を用いてヨーグルト発酵液及び麹発酵液添加クッキーを作成し、発酵液を添加しない基準クッキーと比較した結果、焼成前のバッターは発酵液添加により基準に比べ粘弾性に影響を及ぼしていたが、焼成後の破断エネルギーは類似していた。また、基準クッキーとヨーグルト発酵液添加クッキー間での抗原量の差は確認できなかったが、高温加熱のクッキーでは低アレルゲン化する傾向が確認された。 発酵液を添加したソースを調製し、製品の物性と抗原量を比較検討した結果、発酵液で調製したホワイトソースは粘弾性が低下する傾向であった。抗原量は、ホワイトソースよりもブラウンソースのグリアジン量が少なく、発酵液添加ソースでは基準ソースよりも低アレルゲン化の可能性が期待された。
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Research Products
(1 results)