2015 Fiscal Year Research-status Report
食品と花粉飛散量の組み合わせによるアレルギー症状の増強因子に関する研究
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26750048
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
前屋敷 明江 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, その他 (90639345)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食品 / アレルギー症状 / 花粉飛散 / 環境 / 市販後調査 / インターネットアンケート調査 / 健康調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、調査対象者の中から、特定の食品を購入した者を抽出できるシステムの開発を行った。このシステムの開発により、これまで準備してきた調査対象者の日々の健康状態と食品購入情報、花粉飛散量、黄砂量等の環境因子を統合したデータから、市販された食品によって、引き起こされた可能性のある健康被害を受けた者を抽出でき、さらに様々な環境要因と関連した可能性のある食品による健康被害を検出するための分析データを完成することが出来た。 我々が先に行っている市販後の食品から健康被害を発見するための研究手法では、調査対象者の日々の健康調査データより、症状のあった者を抽出し、その者が購入した食品を選定、症状と食品の掛け合わせ分析を行って、健康被害を引き起こしたと考えられる食品を特定する段階的なシステムとなっていた。今回、開発したシステムにより、特定の食品を購入した者が抽出でき、その食品を購入した日、症状出現日、症状の発症期間、その時の環境要因等が、購入食品を元にして、直接絞り込めるようになった。 現在は、システムの開発と並行して準備してきた約3万の食品を食品群に分類し、分析対象としている食品群の分析データを作成、分析を開始している。例えばA社牛乳、B社牛乳を牛乳購入群とし、発疹が発症している者の牛乳購入群と非購入群に分け、時系列グラフを作成し、購入群と非購入群、春と夏データとの比較を行った。その結果、春季での牛乳群と発疹との関係性が認められた。また、アレルギーを引き起こす他の食品群も同様のグラフを作成し、食品と発疹の関係性と、他の症状でも同様の傾向が認められるかどうかの確認を行っている段階である。 今後は、これらの基礎分析を参考にし、多変量解析等の詳細な分析を実施し、特定の食品群と花粉飛散、その他の環境因子との関連について考察する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度中に完成予定としていた分析データの統合は完成できたが、約3万種の食品を食品群にする方針の決定が遅れ食品群にする作業と、食品群の食品を購入した者を抽出するシステムの開発に時間を要し、分析作業の開始が予定より少し遅れてしまった。しかし、本研究に沿った分析データが完成出来たことにより、分析は順調に進んでおり、現在はアレルギーに関連する代表的な食品群の基礎分析を終えた段階である。予定していた計画からはやや遅れている状況であるが、分析作業の効率を上げることで対応は可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、各年度(4年分)のアレルギーに関連する代表的な食品群の基礎分析を終えている。今後は基礎分析を参考にした多変量解析等の詳細な分析を実施する。更に、アレルギーと関連性の低い食品での分析、発疹を起こしてない者での分析も行う予定にしている。その結果を元に特定の食品群と花粉飛散、その他の環境因子との関連について考察し、学会発表、研究論文の執筆作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
約3万種の食品を食品群にする方針の決定が遅れ、食品群にする作業と、食品群を購入した各食品を購入した者を抽出するシステムの開発に時間を要し、食品購入情報を食品群にするために予定していた人手が少なくなり、人件費が低くなった。また、予定していた学会への参加も業務の都合により、参加出来なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象とする食品群をアレルギーの主な原因と言われている食品だけでなく、アレルギーを引き起こすと言われているその他様々な食品、また、アレルギーとは関係のない食品を食品群として抽出し分析を行うことにより、精度の高い結果が得られるように分析対象食品を増やす予定にしている。また、得られた結果を考察し、研究論文として発表を行う予定にしている。
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