2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26750050
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
中村 文 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (10709629)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
食物を摂取するときの環境や,与えられた情報が,摂食・嚥下活動にどのように影響するのかを明らかにすることを目的として,研究を遂行し,以下の結果を得ることができた。 デイケア利用者が自宅で食事をする際(在宅時),デイケアで食事をする際(デイケア利用時)の双方に,どのような情報・環境が影響しているのかを,質問紙による個別面接調査によって検討した。 在宅時とデイケア利用時の食事満足度に差は認められなかった。「食事の雰囲気が明るい」と食事満足度に相関がみられ,食事をする際の雰囲気が食事満足度に大きく関連していることが明らかになった。また,食事満足度との関連要因として,「1回(食)の食事量」「食習慣」「デイケアでのレクリエーション・行事の充実度」「趣味の有無」「自宅での共食者の有無」が示唆された。 「1回(食)の食事量」については,「お腹一杯」「腹八分目」に比べ,「腹八分目以下」で有意に在宅時の食事満足度が低かった。「食習慣」については,「乳製品を毎日食べている人」は「乳製品を毎日は食べていない人」に比べ,デイケア利用時の食事満足度が高く,「油料理を毎日は食べない人」「油料理を毎日食べている人」に比べ,在宅時の食事満足度が高かった。「骨折の予防のために乳製品を食べる」,「高血圧の予防のために油料理を控える」という意見があり,「健康に気を遣っている」と自負している人のほうが食事満足度が高いことが考えられた。「趣味がある」,「デイケアでのレクリエーション・行事が充実」しているという人のほうが,デイケア利用時の食事満足度が高かった。「自宅での共食者」が,「配偶者」・「なし」という人に比べ,「同居の家族」という人の在宅時の食事満足度が高かった。 食事に関する主観的指標である「食事満足度」には,食事(摂取物)そのもののみならず,雰囲気や共食者などの環境も関連する可能性が示唆された。
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