2015 Fiscal Year Research-status Report
食事パターンと糖尿病に関する横断的、縦断的栄養疫学研究
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26750063
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
今井 絵理 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00715948)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 食事パターン / 栄養調査 / トレンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1) 日本人における糖尿病者の推移を明らかにすること、(2) 横断的、縦断的に日本人糖尿病者における食品群別摂取量および食事パターンとの関連について明らかにすることを目的としている。 本年度は、縦断研究(追跡調査)のためのデータ収集・整理を精力的に行った。対象は1986年より岩手県花巻市(旧 大迫町)において実施されている大規模コホート「大迫研究」の地域在住住民である。研究開始(ベースライン)を1997年調査とし、一番最近の2014年までのデータを得ることができた。食事摂取状況の把握には、141項目からなる詳細な食事摂取頻度調査票を用いた。この食事摂取頻度調査票から、一人一日当たりのエネルギー及び栄養素摂取量、33項目の食品群別摂取量を算出した。解析対象者は地域在宅住民4679名のうち、自記式調査票に有効な回答が得られ、ヘモグロビンA1c(HbA1c)のデータがない者、食事データがない者を除いた1137名とした。このうち、HbA1cが6.5%以上の糖尿病者は51人、HbA1cが5.4以上6.5未満の耐糖能異常者は561名であった。食事のあるベースラインデータと追跡データを突合し、現在、食事パターンと糖尿病発症あるいは耐糖能異常との関連について検討を行っている。 一方、国民健康・栄養調査を用いた糖尿病有病者の割合のトレンドについては、前年度において男性では最近11年間で1.2倍程度糖尿病が増加していることを明らかにした。この成果については、国際学会1回、国内学会1回で発表を行った。さらに、今年度は糖尿病が増加してきている要因を明らかにすることを目的に解析を行った。その結果、その関連要因として、高齢化、糖尿病治療薬の増加が認められた。なお、この研究結果については論文作成をほぼ終え、現在投稿に向けての最終段階に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は国民健康・栄養調査データを解析した結果を用いて、精力的に学会発表や論文執筆を行っていくこと、ベースライン時に糖尿病でなかった人を対象とした追跡調査 (縦断研究)については、大規模なコホートのデータ収集、データクリーニングを行い、解析をおこなっていくこと、この2つを目標としていた。このどちらも順調に進んでおり、「ほぼ順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は追跡調査の結果をまとめるとともに研究の総括を行い、積極的に国内外の学会、雑誌への発信を進める。
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Causes of Carryover |
次年度に掲載される雑誌の掲載料および次年度に雑誌に投稿するための英文校正代、掲載された場合の費用をが多く発生するため、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
雑誌掲載料、英文校正料、論文別刷り料に使用する。
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Research Products
(6 results)