2014 Fiscal Year Research-status Report
気候変動学習の基礎となる自然経年体験を擬似的に拡張する森林連日記録映像の観察
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26750065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 和彦 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任研究員 (70707075)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気候変動学習 / フェノロジー / サイバーフォレスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(A)森林連日記録映像を用いた自然経年変化の観察によって気候変動問題を身近に感じるか、(B)既有自然体験の拡張として経年変化を観察させるために効果的な映像教材の要素は何か、の2点を明らかにすることを目的としている。東京都および長野県の中学校において授業実践を行い、従来の中学校理科での気候変動学習への影響を調査する計画であった。 しかし、改めて中学校現場の状況を見ると、想定していた理科の時間における気候変動学習が多くの学校で十分に行われていないことが判明したため、総合的な学習の時間や特別活動等を活用して、こちらで別途、気候変動学習の機会を設ける必要があることがわかった。そこで、実験の主対象を東京都の中学校のみに絞ることとし、中学校第1学年の生徒196名を対象に至近20年間の森林映像記録を用いた授業実践を行い、上記(A)の目的について検討するための対称性との反応を自由記述形式の感想文として得た。その際、上記(B)の目的と関連して、対象生徒の既有自然体験との関連性について検討するために、対象中学校で慣例的に行われている自然体験学習と連携する形で授業実践を行った。 また、対象を東京都のみとしたため、地域差については対象生徒個々の既有自然体験の差異に注目することで検討を行うこととなった。そこで、対象生徒の既有自然体験を抽出・共有するための教材開発が別途必要となり、ゲーミング教材「フェノロジートランプ」の開発も併せて進めた。 当初、対象として想定していた長野県については、学校教育現場以外にも幅広く実践の場を検討し、市民向け農業体験講座を既有自然体験とみなしての森林映像記録教材適用の可能性も探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた、中学校理科における気候変動学習が十分に行われていない事情から、実験計画を変更する必要性が生じたが、目的を達成するために最低限のデータは得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
授業実践が終了している東京都の中学校については、得られたデータの解析を進める。また、追跡調査を行う計画となっているため、新規開発したゲーミング教材の活用も含めて同生徒らに対する調査を継続する。 また、地域差について検討するために対象として予定していた長野県については、学校教育現場以外での実践も含めて幅広くデータ取得の可能性について検討を継続する。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更に伴い、物品費の必要性が当初よりも少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象生徒の追跡調査および比較対象となる授業実践の検討のために、旅費を当初よりも多く見込んでいる
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Research Products
(4 results)