2014 Fiscal Year Research-status Report
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26750067
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
竹下 陽子 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケーションセンター, 特任講師 (70723930)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スマホ顕微鏡 / タブレット / レーウェンフック / 野外観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
タブレット装着型顕微鏡を用いた野外観察活動のプログラム開発とその実践を目指し、活動に取り組んだ初年度H26年度の実績は、以下の通りである。 【1.観察ツールの改良】市販されているレーウェンフック顕微鏡を購入し、授業でスムーズにタブレット型端末に装着するために、取り付ける台として専用の付属品を用意し、授業で実際に活用した。また、市販品の利用にとどまらず、生徒たちへの学習効果が期待できる教材として、生徒たちが自作できるレーウェンフック顕微鏡工作教材を開発し、授業で実施した。 【2.プログラム開発】タブレット装着型顕微鏡の操作性の問題を解決し、学校での授業および授業外における実験教室で実施した(学校教員実施を含め5校)。また、教員向けにノウハウを提供する研修会を行い、教材についてコメントを頂くと同時に、普及活動を行った(7回)。H26年度実施した主な授業内容は、適宜、ブラッシュアップしながら指導案に書き起こしつつある。主な単元は、中1単元「葉、茎、根のつくりとはたらき(ツユクサ気孔観察)」、中2単元「生物と細胞」、中1単元「大地の変化(堆積岩、火成岩)」、中1単元「光の世界(レンズ工作)」。観察授業では、タブレット画面を活用し、指導要領で強調されている言語活動の充実化に取り組んだ。アンケートを用いて、生徒への意識調査、および教員向けに教材評価の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度目標としていた項目については、以下のような進捗状況である。 【1.観察ツールの改良】初年度、まずは屋内において、静態で観察可能な対象物を用いた、機器や観察器具操作の課題の洗い出しを行った。市販のタブレット装着型顕微鏡の改良を行う予定でいたが、取組の結果、大きな問題は無かったため行う必要が無くなった。しかし、児童生徒が授業で扱う際、操作性の問題が判明したため、その点は専用の付属品を用意し解決した。また、さらに当初予定していなかったが、授業でも効果的に活用できる、自作可能なタブレット装着型顕微鏡の工作を提案し、実践することができた。 【2.プログラム開発】本ツールを用いた屋内授業のプログラム化および実践を行うことができた。主な対象物は、ツユクサの気孔観察、岩石薄片の偏光観察などである。また、中1単元「光の世界」におけるレンズの学習でも活用できる工作教材を提案し、授業で実施した。授業の効果の測定としては、生徒向けに意識変化を問うアンケート調査を行った。また、これから具体的な野外観察プログラムの開発を目指している。H26年度中には、野外観察活動についての学校授業に加わり授業サポートを行うことができたので、課題点の洗い出しおよび指導案づくりに取り掛かる予定である。必要に応じて、適宜、屋内での活用事例も増やしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度には、野外観察授業のモデル事例を実施し、指導案作りに取り組む。野外観察活動の機会が得られない場合には、屋内授業における活用方法に視野を広げ、活用事例を増やす。授業実施の際は、児童生徒を対象に授業の効果を評価するアンケート調査を行う。また、授業に参加した学校教員を対象に、実践を通した授業プログラムの評価を依頼する。また、可能であれば学校教員による実践の機会を設け、授業プログラムの妥当性について評価してもらう。課題が見られた場合は、改善を加える。さらに児童生徒向け授業の実施機会が得られれば、適宜ブラッシュアップしていく。これまでに実践してきた、単元ごとに実施可能な授業例について、教員向けの研修会などで普及活動を行う。
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Causes of Carryover |
研究を進めるにあたり、H26年度に必要だと見積もっていた物品費や謝金で、一部その使用が発生しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度には、H26年度の繰り越しを含めた金額で、新たに必要となる消耗備品の購入、および研究実施に伴う旅費、研究をとりまとめるにあたり謝金などが発生する予定である。また、報告書作成、資料印刷代、論文投稿費などを想定している。
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