2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26750073
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
草間 裕介 香川高等専門学校, 通信ネットワーク工学科, 准教授 (10398571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロストリップライン / 導波管 / マイクロ波 / 導入教育 / 学生実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
RFデザインエンジニア育成プログラム開発として、(1)導波管回路素子の製作、(2)マイクロストリップ線路を用いた整合回路の設計、(3)マイクロストリップ線路を用いたフィルタ回路の設計の3つについて研究を並列進行した。以下、それぞれのテーマに分けて研究実績を説明する。 (1)導波管回路素子の製作については、学生実験導入のための実験標準として、基本的なL, C導波管素子をそれぞれ6種類ずつ合計12個を製作し、理論計算値と測定値を比較したところ良好に一致した。この成果を国際会議1件、技術研究報告1件、支部大会1件で発表した。 (2)マイクロストリップ線路を用いた整合回路の設計については、韓国Man&tel社製の実験キットを参考にして、理論計算と製作評価が比較的容易なサンプルとして、テーパー線路インピーダンス変換器に着目し、理論計算・電磁界シミュレーション・測定を比較したところ、測定値との差は模範モデルの製作不良と測定値のばらつきに原因があることが分かった。この成果を国際会議1件、技術研究報告1件、高専シンポジウム1件、電気関係支部大会1件で発表した。 (3)マイクロストリップ線路を用いたフィルタ回路の設計については、理論計算と製作評価が容易な基本モデルとして、FR-4基板によるλ/4MSLスタブに着目し、理論計算・電磁界シミュレーション・測定を比較したところ、基板の誘電率に損失を考慮すると良好に一致することを確認した。この成果を技術研究報告1件、総合大会1件で発表し、さらに現在論文誌へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの取り組みに対する研究成果は着実に出ているが、その成果が論文誌として採録され、広く客観的な成果として認められる段階に達していない。今年度は成果を着実にまとめて整理し、論文誌としてまとめることに注力する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)導波管回路素子の製作については、製作誤差による測定値のばらつきを定量的に評価し、電磁界シミュレータを導入した学生実験に展開する予定である。そして、本研究成果を論文誌に投稿する予定である。 (2)マイクロストリップ線路を用いた整合回路の設計については、製作ばらつきによる誤差を定量的に評価検討する予定である。そして、本研究成果を論文誌に投稿する予定である。 (3)マイクロストリップ線路を用いたフィルタ回路の設計については、エッチング条件の違いによる信号導線の導電率の変化を詳細に検討する予定である。 (4)最終年度に取り組む予定となっているマイクロストリップアンテナの製作評価実験プログラムの開発に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
今年度に購入を計画していた物品「RF設計技術トレーナー:RFDT-1000」の取得価格が972,000円であり,当初購入予定価格945,000円から27,000円値上がりした。このため,今年度の直接経費支払い請求額1,000,000円と前年度未使用額191円の合計1,000,191円に対して,旅費その他使用可能金額が28,191円となった。このうちの半額に相当する14,040円は研究用物品の消耗品に充当することができたが,残りの14,151円については本研究に関連する適切な使途が見当たらなかったため残額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまで2年分の研究成果を体系的にまとめ,その成果を広く公開するための論文投稿料3件分を最優先にして使用する。次に、継続中の研究に関する学会発表遠征費用3件分に充当する。これらを差し引いた残りの費用では,計画当初に購入予定であったアンテナ専用の実験キットを入手することは困難であるため,廉価版の代替物品の購入を検討するか,これまでに購入した実験キットを参考に自作開発に切り替えてコスト削減を図る予定である。
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