2016 Fiscal Year Research-status Report
自己調整学習を促すゲームニクスを踏まえた学習支援システムの構築と反転授業への活用
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26750077
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 祥寛 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教 (20397178)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己調整学習促進 / ICT / ゲームニクス / ゲーミフィケーション / 学習効果測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時に申請した研究実施計画に基づき、本研究にて開発した学習支援システムの授業での実践を試みた。 今年度の授業実践では、昨年度の反省を踏まえて、予め授業で身につけさせたい能力を教員側で設定し、課題もそれに対応するものを作成して実施した。その結果、システムを試用した場合における学習意欲が向上していることがアンケート調査等から知ることができた。特に学生アルバイトへの事前学習で使用した場合には、学習活動の進捗確認と合わせて、その使用による効果があることが分かった。しかし定性的に測れるほどのデータを収集することができなかったため、本研究期間の延長を申請することとなった。 なお、本システム使用においては、学習者に対して、アクセス方法とシステムを使用することの意図と意義を説明するだけにとどめ、詳細な使用方法を教えることなく使ってもらったが、多くの学習者がその使用方法に迷うことなく使用可能であった。これからゲームニクスという観点からのシステム操作に関する評価としては、本システムは一定の水準を持っていることが分かった。他方、システム自体の問題点として、同じ課題を実施した場合でも、課題をこなすことによる成長度合いが、課題設定時の想定よりも低い場合もあるという指摘を、学習者自身から受けた。この点を勘案すると、課題達成時に与えられる成長度合いについては、予め設定するのではなく学習者自身に測らせ、自ら入力させ、その結果として数値化されるようにする方が良いであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の最終年度を迎えて、作成したシステムを実際の授業で実践した結果を整理する段階に入った。結果として、昨年度の反省を踏まえた上で実践した場合には、概ね想定通りの結果を得ることができたことから、研究としてはおおむね順調に進展しているとした。 今年度、研究期間の延長を申し出た点を踏まえて、研究がやや遅れているとの評価を付けることも考えたが、延長自体は、定量的な評価を得るための授業実践数を増やすという点のみであったため上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
システム自体は完成しているので、授業内容や授業での実践方法に合わせたシステム調整を行いつつも、本システムを授業で使用し、学習活動に関する評価を測定していくこととする。 自己調整学習においては、学習動機が学習活動に影響することが分かっているので、正規の授業の他、補習授業や謝金を出すという形、あるいは今年度も行った学生アルバイトの事前学習等で動機形成をした場合の検証も引き続き行っていく。 検証がすんだ段階で、システムを公開し、その成果を広く伝えていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度の実施した、本研究課題で作成したWebシステムの授業での実践の結果、定性的な評価を得るに至ったが、定量的な評価を得るまでのデータを得ることができなかった。そこでさらなる授業実践のために、次年度にも研究期間を延長することとしたため、そこでの使用を勘案し、今年度の予算執行を抑えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
謝金に使用することで、今後の研究の推進方策に記した「謝金を出す形で同期形成をした場合におけるシステム使用の評価」に用いる。また、最終年度が延長されたことを踏まえて、報告書の作成および研究報告を行うための旅費として使用する。必要に応じて、システム改修の経費にも使用することも考えているが、こちらについては軽微な改修に留まると考えている。
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