2014 Fiscal Year Research-status Report
フィジカルコンピューティングによるメディア表現教育の支援環境構築
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26750089
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Research Institution | Yamanashi Eiwa College |
Principal Investigator |
杉浦 学 山梨英和大学, 人間文化学部, 講師 (90707861)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フィジカルコンピューティング / メディア表現教育 / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,フィジカルコンピューティングと映像・音を融合したメディア表現教育を対象とした教育支援環境として,「プログラミングの初学者に適したビジュアルプログラミングエディタ」と「安価で扱いが容易なハードウェアキット」を開発し,その教育効果を検証することである.この教育支援環境により,プログラミング初学者を対象としたメディア表現教育を多くの教育機関で実施できる可能性を高め,I/Oモジュールの制御や映像表現などのビジュアライゼーションのプログラミングに必要な学習コストを低減することで,表現やインタラクションに関する本質的なアルゴリズムを構築することに集中して学習を行うことができる. 平成26年度は,フィジカルコンピューティングに関する既存の教育支援環境の調査と,本研究で構築する教育支援環境の一部となるビジュアルプログラミングエディタの開発を中心に研究を実施した.ビジュアルプログラミングエディタの開発基盤であるArduBlockの調査と拡張開発を実施し,Processingの描画ライブラリを扱うことが可能なプロトタイプの制作を完了した.このプロトタイプを用いて,プログラミングの初学者を対象とした小規模なユーザビリティテストを実施し,拡張機能やユーザーインタフェースに関する改善点を精査した.教育支援環境を用いた教育実践に利用する教材開発に関しては,ユーザビリティテスト用に,ソフトウェアの操作手順書と簡易的な教材を作成した. 平成27年度は,ビジュアルプログラミングエディタの改良に加えて,ハードウェアキットの開発に関する研究を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載したビジュアルプログラミングエディタの拡張開発については,ユーザビリティテストを実施するためのプロトタイプが完成した.また教育実践で利用する教材開発についても,操作手順書をはじめとした基礎的な教材は完成している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はビジュアルプログラミングエディタの改善に加えて,安価で扱いが容易なハードウェアキットの開発を中心として研究を実施する予定である.安価なI/Oモジュールの核となる既存のボードを調査・選択して拡張し,各種センサの回路が短時間で構築可能なハードウェアモジュールの設計と実装を行う.具体的には,Aruduino互換のボードをベースとして,各種センサの接続に基板以外のブレッドボードが不要なようにモジュール化したキットを開発する.これにより電子工作に不慣れな学習者でも,必要な回路を簡単に組み立てられ,短時間で回路設計に関する試行錯誤が実施できるようにすることが目標である.
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Causes of Carryover |
ビジュアルプログラミングエディタの開発用PCと開発時の動作検証用のI/Oモジュールについて,研究の実施に支障がないと判断し,購入を見合わせたことが理由である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発用PCについては,今後の開発作業の状況を見て購入を再度検討する予定である.また,I/Oモジュールについては,平成27年度中に実施予定の評価実験の際には必要となるので,購入を予定している.
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