2014 Fiscal Year Research-status Report
大域的粒子群最適化に基づく不確実情報下での対話型ファジィ多目的意思決定とその応用
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26750115
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松井 猛 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50512505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 粒子群最適化 / 非線形計画法 / 多目的計画法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,制約のない多峰性の非線形最適化問題に対する近似解法として注目されている粒子群最適化(PSO)に対して,上下限制約のみならず一般の等式制約と不等式制約をも考慮した探索と大域的最適性を目指した改良を施すとともに,相競合する複数個の目的を同時に考慮するという多目的非線形計画問題への一般化を試みた. 具体的には,Kennedyらによって提案され,高速で高精度な近似手法として有望視されてきている粒子群最適化手法に対して,初期個体群の生成において準同型写像を用いることにより実行可能な個体だけを生成するとともに,移動後の個体の制約の取り扱いについて考察することにより,決定変数に対する上下限制約以外にも一般の等式制約と不等式制約条件をもつ非線形計画問題に対して適用可能となるような改良を加えた.特に,粒子群最適化手法における制約を考慮した探索のために,探索点が実行不可能な個体を2分法により実行可能となるように修正する方法を採用した.ただし,2分法の実行には時間がかかるため,2分法による個体修正を行う部分個体 群と実行不可能領域への移動を許可する部分個体群という2つの部分個体群を用いる粒子群最適化手法を提案した.また,個体の移動方法と評価関数を変更するとともに離脱行動を採用することにより局所的最適解への停留を抑制することを試みた.さらに,提案した手法が高速で高精度な近似最適化手法であることを検証するために,問題の規模と非線形性の度合いが異なるさまざまな種類の非線形計画問題への適用を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の有効性および実用性についての実証検証を行い,得られた研究成果は学術雑誌に掲載されたため.
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Strategy for Future Research Activity |
ファジィ情報を考慮した多目的非線形最適化の観点から,さまざまなファジィ多目的非線形計画問題の定式化を進める.さらに,モデ リング過程でのパラメータに含まれるファジィ性のみならず,意思決定者の判断の曖昧性をも同時に考慮した,人間中心の新しい対話 型ファジィ意思決定手法の開発を試みる.ここで,ファジィ性を考慮して拡張されたパレート最適解を求めるための拡張ミニマックス 問題の最適性と拡張パレート最適性に関する探索を同時に行うという効率的な粒子群最適化手法の提案により,高速でしかも高精度な 近似手法の構築を目指す.
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