2014 Fiscal Year Research-status Report
内陸開発途上国における交通インフラ整備スキームの開発
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26750117
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川崎 智也 日本大学, 理工学部, 助教 (30705702)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内陸開発途上国 / ロジスティクス / インフラ整備計画 / ステークホルダー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画通り,平成26年度は現地インタビュー調査により,内陸開発途上国の交通インフラ整備および貨物輸送実態の現状把握を行った.当初はアジアの内陸開発途上国であるラオスを対象とすることを計画していたが,文献調査などを通じて,ラオスのクロスボーダー輸送は様々な貨物輸送円滑化プログラムにより大きく改善されていることが分かった.そこで本研究課題では,輸送問題の課題が多く残されていると考えられる東アフリカ(ウガンダ,ルワンダ,ブルンジ,ケニア,タンザニア)を対象として分析を行うこととした.
内陸開発途上国であるブルンジおよびウガンダ,沿岸国のケニアにおいて,現地政府機関や物流企業を対象にインタビュー調査を行い,現状把握と課題抽出を行った.インタビュー調査より,交通インフラ整備計画に関連するステークホルダーを同定することができた.また,当該国の担当省庁などに加え,ドナーの行動が交通インフラ整備に重要な役割を果たしていることが明らかとなった.ブルンジ,ウガンダの港湾選択については,それぞれダルエスサラーム港(北部経済回廊),モンバサ港(中央経済回廊)と,比較的明確な棲み分けがなされている.しかしながら,両港にはある程度の競争意識が存在しており,ハードインフラ投資や通関プロセスなどのソフトインフラ整備などによるサービス向上が図られていることも分かった.
平成27年度は,平成26年度に実施したインタビュー調査により同定されたステークホルダー間の関係性を表現するモデルを構築し,各ステークホルダーの行動が経済回廊整備に与える影響を分析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画通り,平成26年度は現地インタビュー調査に基づく内陸開発途上国の交通インフラ整備に関わるステークホルダーの同定と貨物輸送の現状把握を完了した.平成27年度は,これらの調査結果をベースに,ステークホルダー間の関係性を表現するモデルの開発を実施する予定である.以上より,現在まで当初の予定通りに進行しているため,「おおむね順調に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策については,東アフリカにおける経済回廊に関連するステークホルダー間の関係性をMulti-Agent Based Modelの考え方に基づきモデル化する.ステークホルダー間の具体的な関係性については,港湾間の競合関係や鉄道と道路の競合もしくは協力関係に特に着目して進めていく予定である.
平成26年度は,東アフリカの内陸開発途上国の一つであるルワンダ,その沿岸国であるタンザニアおよびケニアのモンバサ港での現地調査を実施できなかった.モデルを構築するにあたり,インフラ整備水準,将来交通インフラ整備計画,ステークホルダーなどの現状把握において,インタビュー調査の必要が生じれば追加で現地調査を実施する予定である.また,文献調査などにより,モデル構築対象国の詳細情報を引き続き収集する.具体的には,専門家・実務家に対してインタビュー調査を実施し,情報提供を依頼する予定である.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,ケニア・モンバサ港,ルワンダ,タンザニアにおいて現地調査を行うことができなかった.また,学会参加および論文投稿まで至らなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,ケニア・モンバサ港,ルワンダ,タンザニアにおいて追加の現地調査を行う予定である.また,研究成果の発表を行う予定であり,それらの経費として計上している.
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