2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代自動車の社会的普及に向けた支援インフラの整備・運用方策に関する数理的研究
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26750119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 裕大 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (40514055)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 次世代自動車 / 支援ステーション / 周回行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,EV・FCV 支援ステーションの安定運用に関する分析として,(a)支援ステーションの費用便益分析と,(b) 周回行動を考慮したEV 日常移動モデルの構築を行った. まず,項目(a) では,EV・FCV 支援ステーションが安定的に運用し得るための経済的条件について考察した.支援ステーションは,もちろん社会的に共有されるインフラストラクチャーであるが,その維持費用はステーションの運営者が負担することが予想される.そこで本項目では,EV・FCV 支援ステーションの費用便益分析を行うことによって,自立的運営に必要な顧客台数,補給1 回当りの料金,ステーションの適正規模,さらには税金補助政策などを明らかにした.本分析は,以降の研究項目で必須となる,ステーションの設置コストや維持費用など,各種パラメータを適切に収集する意味合いも持つ. 一方,項目(b) では,EV・FCV の日常移動に焦点を当てた移動モデルの構築を行った.EV・FCV はその航続距離限界,あるいは支援インフラ整備が都市部から始まることが想像されるため,特に導入初期では,近距離移動が主の都市内移動に用いられることが予想される.その際に重要となるのが,周回行動(トリップチェイン) の概念である.申請者は,人々の都市内周回行動を記述するための数理モデルを既に構築している.そこで本年度では,周回行動モデルと,同じく既に構築した,複数回の給電を考慮したEV 経路選択行動の推定モデルを統合することによって,EV・FCVによる都市内周回移動の推定を試みた.補給ステーションへの立ち寄りを明示的に考慮するため,当該モデルは,最適施設配置や需要予測を行うための基礎理論となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,EV・FCV 支援ステーションの安定運用に関する分析として,(a)支援ステーションの費用便益分析と,(b) 周回行動を考慮したEV 日常移動モデルの構築を目的としていた.その両項目について,研究計画で目指していたものと,おおむね近い分析を確実に行うことができた.特に,項目(a)では,EV・FCV 支援ステーションの費用便益分析を行うことによって,自立的運営に必要な顧客台数,補給1 回当りの料金,ステーションの適正規模,さらには税金補助政策などを明らかにでき,また項目(b)では,周回行動モデルと,複数回の給電を考慮したEV 経路選択行動の推定モデルを統合することによって,EV・FCVによる都市内周回移動の推定に成功した.これらは次年度以降の研究を遂行するためにも,極めて有益なものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は,当初の研究計画に沿った分析を確実に行うことができたので,今後も,研究計画に沿った研究の推進を目指す.具体的には,(c)大規模GIS データによる適正配置・需要予測,(d)FCV 支援ステーションの最適建設タイミング等の分析を行う.
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Research Products
(6 results)