2014 Fiscal Year Research-status Report
地震動情報と光学センサ画像情報の統合処理による建物被害推定モデルの構築
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26750131
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三浦 弘之 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30418678)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非線形写像法 / リモートセンシング画像 / 強震動予測 / 建物被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,リモートセンシング画像による建物被害抽出手法と地震動予測手法の統合処理による高精度な建物被害推定方法の構築を目指している. 当該年度は,非線形なひずみや位置ずれを有する画像ペアに対して,精度よく画像の重ね合わせを実現するための画像処理手法として,非線形写像法の処理アルゴリズムの構築を行った.非線形写像法は,2枚の画像を小領域に分割し,小領域ごとに画像の相関を基に探索を行うものである.特に本研究で採用した方法は,小領域の大きさを多段的に変化させることで,大局的・局所的な位置ずれを補正するものであり,求められた移動量に対して選択的な協調処理を施すことで,高精度な補正を実現する方法となっている. 構築した処理アルゴリズムを撮影時期の異なる都市域画像に適用した結果,建物に変化のない地域はもちろん建物の変化が著しい地域に対しても,精度よく位置ずれを補正できることを確認した.さらに,地震による被害が甚大であった,2010年ハイチ地震での被災地(首都ポルトープランスの市街地)を撮影した高分解能衛星画像に対して本手法を適用した結果,地震前後の画像の位置ずれを簡便かつ短時間に補正できることを確認した.さらに,補正後の画像を利用して,画像の相関値と個々の建物の被害レベルの関係について検討した結果,被害が軽微な建物を画像から自動的に判別することは困難であったものの,倒壊した建物については比較的精度よく検出できることを示し,その精度を定量的に評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は非線形写像法の処理アルゴリズムの構築と都市域画像ペアへの適用を目標としており,当初予定の通りこれらの目標が達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,リモートセンシング画像からの被害抽出に関しては,建物被害と相関の高い画像特徴量を検討するとともに,画像解析結果と地震動予測結果の統合処理による高精度な建物被害検出手法を検討する.
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Research Products
(1 results)