2015 Fiscal Year Research-status Report
津波浸水域の建物被災度判定の自動化に向けた被災度判定支援技術に関する研究
Project/Area Number |
26750133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴山 明寛 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80455451)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 津波 / 建物被害 / 建物被災度判定 / 画像認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に実施した(1)津波浸水域の被災建物の被災度判定基準の「画像認識技術による建物被災度の自動判定の検証」については,教師データの不足による精度向上ができなかった.そのため,平成27年度については,更なる精度の向上を図るために,教師データの作成を中心的に実施した.前回までは,浸水域の宮城県石巻市の木造密集地域を中心に行ったが,木造建物の被害パターンの種類及び数量が不十分であった.その理由は,360度カメラで撮影されている場所が限られていたことと,震災から数週間経った後のデータであり建物が一部片付けられていた問題などがあったためである.27年度については,震災から1週間後から1ヶ月間の間の360度カメラデータを中心に洗い出しを行い,教師データの作成を行った.教師データは,仙台市を中心に約2,500棟のデータを抽出した.また,前回は,道路面から垂直に建物を撮影したデータしか作成していなかったが,これでは,前面の建物の被害からしか判定できなく,側面の被害は無視をしていた.そのため,建物の正面及び側面を2方向からのデータを作成した.また,機械学習法のツールの変更を行い,更なる精度の向上を図る検証を行った.その結果,ある程度の精度向上があったが,必要十分な精度向上が図れなかった.その原因を追及するために,本年度を費やしたかたちとなってしました.そのため,平成27年度以降に計画していた,(3)被災度判定支援のために車載型全周囲カメラ画像と空間情報の重合処理による被災度判定の自動化方法,(4)判定結果を自治体等で簡易に閲覧できる方法,(5)人手を介さずに津波浸水域の建物の被災度判定を自動化する技術方法について,着手することができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記の研究実績の概要にも記載したが,機械学習法のツールの変更を行い,更なる精度の向上を図る検証を行ったが,必要十分な精度向上が図れなかった.その原因を追及するために,本年度を費やしたかたちとなってしました.そのため,平成27年度以降に計画していた,(3)被災度判定支援のために車載型全周囲カメラ画像と空間情報の重合処理による被災度判定の自動化方法,(4)判定結果を自治体等で簡易に閲覧できる方法,(5)人手を介さずに津波浸水域の建物の被災度判定を自動化する技術方法について,着手することができなかった.また,震災から5年目を迎え,被災地の自治体から有識者の需要が高まったことと,様々な機関から復興を加速するための方策など学術指導等などが多数あったため,科研費の業務に集中することができなかったことが,進捗が大幅に遅れたことに繋がった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の遅れを取り戻すべく,平成28年度については,時間をかけて,「画像認識技術による建物被災度の自動判定の検証」を行うとともに,未着手である(3)被災度判定支援のために車載型全周囲カメラ画像と空間情報の重合処理による被災度判定の自動化方法,(4)判定結果を自治体等で簡易に閲覧できる方法,(5)人手を介さずに津波浸水域の建物の被災度判定を自動化する技術方法について,平行して着手する.
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Causes of Carryover |
今回,使用額の変更が生じた理由として,人件費・謝金で必要十分な教師データを作成するために,計画していた人件費が超過した.また,全体的な計画な遅れによる(4)判定結果を自治体等で簡易に閲覧できる方法,(5)人手を介さずに津波浸水域の建物の被災度判定を自動化する技術方法のシステム構築のための外部委託ができておらず,予算の持ち越しとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は,画像認識技術のアプリケーションの実装及び(4)判定結果を自治体等で簡易に閲覧できる方法,(5)人手を介さずに津波浸水域の建物の被災度判定を自動化する技術方法のシステム構築の費用として使用する.また,人件費・謝金が超過してしまったが,機械学習法による画像認識の精度の向上がまだ図れていないことから,教師データの再整理のために,人件費を使用する
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