2014 Fiscal Year Research-status Report
雪崩発生予測に向けた乾雪への水の浸透に関する計算手法の開発
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26750137
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| Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
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Principal Investigator |
勝島 隆史 富山高等専門学校, 商船学科, 助教 (00611922)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 積雪内水分移動モデル / 雪崩発生予測 / 近赤外画像 / MRI / 不飽和流 / 水侵入圧 / 浸潤前線 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
湿雪雪崩の発生予測には、積雪内での水分移動を数値計算により予測する必要がある。本研究の目的は、乾雪への水の浸透過程を明らかにすること、そして、乾雪への浸透の計算手法を確立することである。初年度にあたる平成26年度は、以下の研究を実施した。
1)乾雪への浸透先端の移動速度を測定した。低温室でのカラムを用いた乾雪への鉛直1次元の浸透実験を、雪試料の粒子直径や供給水フラックスなどの条件を変えて実施した。カラム内の浸透先端の位置を近赤外線画像を用いて捉え、時間間隔をおいて撮影した近赤外画像の浸透先端の位置の差分から浸透先端の移動速度を求めた。浸透先端の含水状態については、近赤外画像や可視光による画像を用いた測定が困難であることから、平成27年度にMRI撮像による手法を用いて実験を実施する予定である。
2)乾雪への水の浸透過程を考察するために、リチャーズ式にもとづいた水分移動モデルで浸透のシミュレーションを行い、実験結果と計算結果とを比較した。実験結果では、浸透開始初期における浸透先端の移動速度が計算より遅く、先端の含水率が後面と比較して高くなる含水率プロファイルとなっていることを示した。また浸透開始初期以降では、実験結果に対するリチャーズ式による水分移動モデルの適合性が高いことを示した。
3)乾雪への浸透の数値計算手法の開発に着手した。乾雪への水の浸透を阻害する水侵入圧の効果を取り入れた水分移動モデルを構築し、シミュレーションを実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾雪への浸透先端の移動速度の測定に成功し、今後の研究の推進に必要な実験データを当初の計画通りに得ることが出来た。また、平成27年度に研究を予定している乾雪への浸透の数値計算手法の開発に既に着手し、良好な成果が得られていることから、概ね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
乾雪への浸透の数値計算手法の開発を行う。モデルでは、乾雪への水の浸透を阻害する水侵入圧の効果を、浸透先端の毛管圧の閾値として導入し、閾値の決定方法やモデルの予測精度や有効性について検討を行う。更に、近年土壌物理学の研究分野で開発された乾いた多孔質体への浸透モデルを今回の事例に導入して、乾雪への浸透の計算手法の高度化を図る。そして、これらのモデルの妥当性を補完するために、浸透先端の含水状態を測定する実験を追加で予定している。
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| Causes of Carryover |
実験が当初の計画より順調に推移し、これに必要な旅費の支出が計画よりも少なかったことや、論文投稿のための英文校正を次年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究実験と研究成果発表のための旅費、論文投稿のための投稿料や英文校正に対して、研究費の使用を予定している。
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