2014 Fiscal Year Research-status Report
小胞体ストレスによる細胞アポトーシスを誘導するスマートナノキャリアの構築
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26750160
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
秋元 淳 東京女子医科大学, 医学部, 博士研究員 (80649682)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 温度応答性 / 高分子ミセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、温度応答性ナノ粒子の細胞内移行性の解析のための粒径の異なるナノ粒子の作製をおこなった。はじめに、ナノ粒子のサイズを制御する方法として、異なる鎖長をもつブロックコポリマーを合成し、温度応答性ナノ粒子を作製した。親水性および疎水性セグメント鎖長を変化させたブロックコポリマーを水中で会合させたところ、鎖長の増大にともないナノ粒子の粒径の増大が観察された。しかし、これらのナノ粒子に温度付加すると、数ミクロンの凝集体を形成し沈殿してしまうことがわかった。そこで、相転移後のナノ粒子を分散させる方法として、温度応答性セグメントを有するブロックコポリマーと非温度応答性の親水性セグメントを有するブロックコポリマーを同時に会合させて、ナノ粒子を形成する方法を検討した。この結果、親水性高分子の導入により、相転移後も水中に安定に分散させることに成功した。また親水性鎖長が温度応答性鎖長よりも長くなると粒子の安定性は向上し、親水性高分子鎖導入量を変化させることにより、相転移後のナノ粒子のサイズを数10~数100nmの大きさに容易に変化させることが可能となった。これにより、これまで、温度応答性ナノ粒子の細胞内移行の研究は、サブミクロンオーダーの粒子を用いて解析してきたが、粒径がコントロールできることで、細胞内に効率的に移行するサイズの検討ならびにナノ粒子のサイズが細胞内移行メカニズムに与える影響についての詳細が解析可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規なナノ粒子の粒径コントロール方法の検討をおこなったため、培養細胞実験に着手するのに当初の予定より時間が要した。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ粒子の粒径サイズのコントロールが可能になったことから、今後は培養細胞を用いた解析が可能となると考えられる。本実験に利用可能な薬剤の探索ならびに、小胞体ストレスが本手法により惹起されか分子生物学的な解析手法などで進めていく。
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Causes of Carryover |
2014年10月に発注した商品が数度の納期遅延により年度内の納品ができなかった。この試薬は本研究の目的を達成するのに必要不可欠なため、継続して発注した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ナノ粒子の材料となる高分子合成に使用する。
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