2014 Fiscal Year Research-status Report
4D-MRIを用いた胸腹部放射線治療のための腫瘍動態予測法の開発
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26750164
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大西 峻 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (30706833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 4D-MRI / 放射線治療 / 腫瘍追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では(a)非線形位置合わせ法を用いた腫瘍動態抽出と腫瘍と(b)横隔膜の動態モデル取得を実施した. (a)では複数位相のMR画像に対して,変形を伴う非線形位置合わせ手法を適用することにより,腫瘍動態抽出を試みた.改善の余地は残されているものの,3次元的な腫瘍形状や位置情報は89%の精度で抽出可能であることが確認された.これと同時にCT画像との位置合わせも実施した.MR画像から抽出された呼吸性体幹部動態をCT画像に融合させることで,本手法を適用する際の治療計画に必要な4D-CTの生成が可能であることが示された. (b)では「MR画像からの横隔膜形状抽出」と「横隔膜情報と腫瘍動態のモデル化」,「モデル化パラメータの自動決定法」の構築を行った.横隔膜形状の抽出はセミオートではあるものの,簡便に抽出するための機構が構築できた.横隔膜情報と腫瘍動態のモデル化はサポートベクター回帰を用いた手法を確立した.これに関連して,モデル化パラメータの自動決定法では抽出した横隔膜形状から逐次型前向最適化法を用い,良好なモデルが得られる特徴点の選定を行う.これにより,最小限の特徴点から良好なモデルが作成できるようになった. X線透視像の横隔膜位置から腫瘍位置を推定した結果,その推定精度が平均誤差1mm以内であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種手法の構築については計画以上に進展している.特に画像間の位置合わせ手法を中心に次年度分を含めて基礎的な画像処理技術の構築が行えた.一方で,一連の手法構築を主眼においたために,精度評価などの検証実験が十分に行えていない.この点については次年度に推進する必要がある. 画像データについても予定通りに収集が進んでいるが,様々なシチュエーションを想定して評価する必要があることから,継続して実施を進める. 外部発表については活発に行えたものと思われる.前述のとおり定量評価が不十分なことから論文投稿に至っていない.次年度以降には各種成果をまとめる必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
検証実験については十分に行えていないものの,既に検証済みの評価結果は良好であり,新たな知見も得られている.また,当該知見から一層の性能向上も見込める.次年度に構築予定の手法についてもこれまでに研究代表者が扱ってきた技術を応用することで実現可能と思われる.特にモデル化パラメータの最適化により,必要な情報が大きく削減できている.このことから術中ステップにおける横隔膜情報取得についてはロバストかつ高速な手法構築が可能になると期待される.また,早期に必要技術の構築を行い,後半に評価と成果のまとめを十分に行える期間を設ける. 画像データ収集については,前述のとおり順調に進行していることから,今後も同様に進める.
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