2014 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症のための非接触深部温熱治療システムの開発
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26750169
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
新藤 康弘 明治大学, 理工学部, 助教 (00553017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 温熱リハビリテーション / 変形性関節症 / 空胴共振器 / 電磁波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は「変形性膝関節症の深部温熱治療法の確立を目的とした、全自動周波数同調・インピーダンス整合機能を有する非接触深部温熱リハビリテーションシステムを新たに開発すること」である。具体的に本研究では、変形性膝関節症の温熱治療で有効とされる膝関節腔内を非接触状態で集中加温する事ができ、さらに医師などの施術者が安全かつ簡便に操作可能な、全自動周波数同調機能および全自動インピーダンス整合機能を有する、全く新しい加温治療システムの開発を行う。 平成26年度計画として、(1) 有限要素法による、三次元人体解剖学的解析モデルを用いた加温特性解析、(2)リハビリテーション用非接触深部集中加温システムの設計・試作、(3)高精度全自動周波数同調・インピーダンス整合システムの開発の3点を挙げ、研究を行った。 これまでに、研究は計画通りに進んでおり、二次元医用画像から再構築した三次元人体モデルを用いた有限要素法解析を実施し、本加温システムの有用性を数値的に確認した。また、試作加温装置を作製し、筋肉等価寒天ファントムを用いた加温実験を行い、撮像した熱画像結果から非接触深部加温の可能性について実験的に確認した。さらに、ネットワークアナライザを応用した全自動マッチングシステムの構築を進め、自動整合の可能性を実験的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画どおり、まず、3次元人体モデルを用いた電磁界分布・温度分布の連成解析を行い、深部集中加温およびアプリケータ周辺への電磁界の漏洩電力に関して、数値的検討を行い、本加温システムの有用性を数値的に確認した。次に、リハビリテーション用非接触深部集中加温システムの設計・試作を行った。計画では、高周波パワーアンプを購入し、システム構築行う予定であったが、予算減額のため、現有のアンプを改良することで対応した。寒天ファントムを用いた加温実験では、計画通りに購入したサーモカメラを用いて、熱画像の撮像を行い深部加温の可能性を実験的に示した。また、高精度全自動周波数同調・インピーダンス整合システム(フルマッチングシステム)の開発を目的として、購入したネットワークアナライザを用いて周波数同調システムを構築し、先行研究で開発を行った自動整合システムと合わせることで、全自動システム構築を行った。 上記のとおり、ここまで計画どおりに研究が進行している。また、研究成果に関して、2015年4月にポルトガルで開催された国際会議EUCAP2015にて発表題目「Improvement of Resonant Cavity Applicator for Thermotherapy of Osteoarthritis」として研究発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究方針として、研究計画のとおり、試作加温装置を用いた人体脚部形状ファントムを用いた加温実験を行い、他の加温装置と比較検討することで本加温システムの臨床応用への可能性を実験的に示したいと考えている。また、得られた研究成果に関して、積極的に学会発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
計画通りに使用した結果、消費税等の端数として383円の余りが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度における使用計画の変更は特にない。
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