2014 Fiscal Year Research-status Report
筋骨格系疼痛に対する電気刺激療法の中枢性鎮痛作用機序の解明
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26750180
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高本 考一 富山大学, 大学院医学薬学研究 部(医学), 客員助教 (00553116)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気刺激療法 / 筋骨格系疼痛 / 近赤外分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、筋骨格系疼痛に対する電気刺激療法の上位中枢神経(大脳)性鎮痛機序を明らかにすることである。筋骨格系疼痛に対する電気刺激療法は他の物理療法と同様に刺激部位、刺激周波数、刺激強度、パルス持続時間等の様々なパラメーターが存在するが、有効な至適刺激条件が未だ確立されていない。また電気刺激療法の鎮痛作用機序は、末梢から脊髄レベルまでの機序が示唆されているが、上位中枢において十分に明らかにされていない。本研究は、刺激パラメーターの中でも特に電気刺激部位の違いによる鎮痛効果に着目し、筋骨格系疼痛を抱える患者に対してトリガーポイントへの電気刺激による脳機能変化を脳機能イメージング装置[近赤外分光法(Near Infrared Spectroscopy: NIRS), Resting state functional MRI]を用い検討する。26年度は、頚部痛患者20名を対象にトリガーポイント刺激、非トリガーポイント群にランダムに群分けし、各刺激部位への電気刺激中の脳血行動態の影響を全頭型NIRSにより検討した。さらに測定前後での心理的主観的疼痛変化をVAS(Visual Analog Scale)により、刺激部位上の圧痛閾値の変化を圧痛計により検討した。現在、データ解析しており、各刺激中の脳血行動態変化、介入前後の自覚症状、末梢知覚変化をトリガーポイント群、非トリガーポイント群で比較、また各指標の生体情報間の相関関係を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
十分な被験者数を確保するのに時間がかかり、データは取得したが当初計画していたデータ解析を終えるまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
データは確保できているため、迅速に解析を進め、次年度内には研究成果を学会発表及び論文投稿し公表する予定である。 また電流知覚閾値測定装置を購入しており、電気治療前後での末梢神経機能の変化を検討する予定。本装置は、特定周波数の正弦波の経皮的電気刺激により、Aβ, Aδ, C線維の知覚閾値を選択的に定量評価することができるので、電気治療による鎮痛機序に関与する生理学的機序を解明していきたい。
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