2014 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症患者の歩行はいかなる関節運動と筋活動の協調性により成り立っているか
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26750186
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阿南 雅也 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (10517080)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 協調性 / 歩行 / 変形性膝関節症 / UCM解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,変形性膝関節症患者の計測を行う前段階として,先行研究を参考に身体重心と遊脚期における足部座標をタスク変数としての関節運動のUCM解析モデルを作成し,動作スピードの変化によって関節運動の協調性がどのように変化するかを解明することを目的として行った. 健常若年者10人を対象にして,運動学的データは三次元動作解析システムVicon MX(Vicon Peak 社),運動力学的データは床反力計(テック技販社)を用いて計測した.課題動作とする歩行を被験者が自然と感じるスピードの歩行と0.8倍のスピードの歩行(遅い),1.2倍のスピードの歩行(速い)の3条件で,各々10回の試行を行った.動作スピードはタイム計測器(玉川商店)を用いて計測した.得られたデータは数値解析ソフトウェアMatLab(マスワークス社)を用いて,UCM解析にてタスク変数である進行方向の身体重心や遊脚側の足関節中心座標をセグメント角度にて算出可能な関係式からヤコビ行列を求めた.そしてUCMの線形近似を行いタスク達成に影響を与える悪い変動とタスク達成に影響を与えない各関節運動,および各筋活動の協調した変動を定量的に求めた.そして,動作スピードの違いによる協調性の変化を調べた.その結果,歩行スピードが遅くなると,遊脚後期の協調性が低下していることが明らかとなった. 平成27年度は昨年度にて作成したUCM解析モデルを用いて,変形性膝関節症患者における歩行時の関節運動の協調性を調べる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UCM解析モデルの作成は幾何学モデルの作成が完了し,健常若年者の計測も順調に行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は変形性膝関節症患者と対照群の計測を,早期から実施する予定である.また,昨年度に行ったデータの論文作成を早急に行う予定である.
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Causes of Carryover |
昨年度実施した研究の論文作成における英文校閲や掲載料などが差額として生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に論文投稿および掲載料を計画している.
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Research Products
(6 results)