2015 Fiscal Year Research-status Report
筋電計による小殿筋の質的評価と小殿筋の選択的筋力強化方法の検討
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26750188
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
室伏 祐介 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (60724341)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 周波数解析 / 小殿筋 / 等張性外転運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,小殿筋と中殿筋にワイヤ電極を留置し,歩行時の小殿筋筋活動を記録し,積分値の算出,周波数解析を行い,歩行時における小殿筋の筋活動を詳細に検討した。その結果,遊脚終期から立脚初期にかけ,小殿筋と中殿筋ともに筋活動量が最も高く,小殿筋が最大筋力の39%,中殿筋が最大筋力の40%であった。また,筋活動パターンは小殿筋と中殿筋は同様の筋活動パターンを示し,立脚初期に最も活動しその後,筋活動量が減少した。以上より,健常成人における歩行では,筋電図学的に小殿筋と中殿筋の筋活動パターンは同様であることが確認でき,立脚初期の骨盤水平保持に中殿筋と共同して重要な役割を果たしていると考えられる。また、周波数解析の結果では,踵接地直後に最も周波数が高く,その後徐々に周波数が低下していった。このことから,踵接地直後には小殿筋の速筋線維が選択的に活動し,その後,遅筋線維が活動していくものと推察でき,1歩行周期の間でも活動する筋線維typeには変化があることが考えられる。歩行能力を向上させる為には筋線維typeに着目しての理学療法を行っていく必要がある。 さらに,今年度は小殿筋を中殿筋に対し優位に鍛えられる負荷量で,等張性外転運動を行った後にトレーニング効果の検討を行った。中殿筋に対し小殿筋を優位に鍛える為の負荷量は最大筋力の20%にあたる負荷量で,週3回8週間実施した。その結果,小殿筋の筋厚は,トレーニング前1.54cm,トレーニング後1.57cmと統計学的には有意差は認められなかった。小殿筋を肥大させる為の負荷量としては不十分であり,今後は,収縮時間や収縮様式などについての検討をしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度までの計画通りに行えている。症例数を増やしさらに検討を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,変形性股関節症例を対象として,小殿筋の筋活動を記録し積分値の算出や周波数解析を行ったのちに健常者と比較を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度に研究を継続する為には,電極の購入,謝金が必要となる。さらに論文投稿などに必要となる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ワイヤ電極,謝金,論文投稿などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)