2016 Fiscal Year Research-status Report
温熱刺激によって慢性心不全患者の骨格筋萎縮を予防する新たな試み
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26750190
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森本 陽介 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (40534409)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋厚 / サルコペニア / GNRI / β遮断薬 / 温熱刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年は高齢心不全患者に対する治療戦略が重要視されているため、65歳以上の安定した慢性心不全患者を対象にサルコペニアに対する影響を調査した。大腿四頭筋の筋厚を本研究の主要アウトカムであるサルコペニアの指標とした。評価項目はAHA/ACC stage、NYHA class、HFpEF (LVEF 50% and more) 、E/e’、NT-proBNP、Readmission (two or more times hospitalization)、SPPB total points、Gait speed、Handgrip force (HF)、Isometric quadriceps force (IQF)、Albumin (Alb)、Total protein (TP)、Geriatric Nutritional Risk Index (GNRI)、Creatinin (Cr)、Glomerular filtration rate (GFR)、Alanine transaminase (ALT)、Aspartate transaminase (AST)、Hemoglobin (Hb)、Sodium、Potassium、Lactate dehydrogenase (LDH)、Blood urea nitrogen (BUN)、内服薬とし、それに影響する因子を重回帰分析にて検討した。その結果、独立して影響する因子はIQF(beta=0.12; P=0.01)、栄養状態の指標であるGNRI (beta=0.24; p<0.01)、そしてβ遮断薬の内服(beta=1.81; P=0.01)であった。特にβ遮断薬の内服がサルコペニアに影響する結果は新規性があり、本研究の介入手段である温熱刺激の影響を検討する際に調整すべき因子であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に超音波装置を用いた筋厚の計測技術を習得するのに時間を要したため、依然として全体的に計画が遅延している。しかしながら調査に必要な技術の習得や必要物品はすでに整っており、ランダム化比較試験の計画が倫理委員会で承認されれば本研究の目的である温熱刺激が慢性心不全患者に与える影響について解析ができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ランダム化比較試験を開始するためのサンプルサイズとパワー計算などを行っており、当院の倫理委員会にて承認を得られた後に温熱刺激によるサルコペニアへの治療効果について検証を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
必要物品の購入は済んだが、まだ介入研究を開始できていないため、開始後に必要な物品を購入する必要性を考慮したために次年度使用額が生じた。しかしながらその額はわずかであり、当初の使用計画と大きな変更は出ていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入研究開始後に必要な物品の購入が生じた場合(対象者が多く温熱刺激の機器の増加など)に使用する。
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Research Products
(10 results)