2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における新たな運動時呼吸負荷トレーニングの評価手段構築と効果検証
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26750192
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
木戸 聡史 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50513214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 呼吸筋トレーニング / 高齢者 / 健康増進 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢により心肺持久力や呼吸機能が低下し、最大酸素摂取量、肺活量が減少し、これらは日常生活の活動性低下をきたすだけでなく、あらゆる疾患に対する死亡率増大に関連する.これらに対して、心肺持久力と呼吸機能を短時間で効果的に改善することができれば、高齢者の健康増進に有益である. 本研究では高齢者が実施する運動時呼吸負荷トレーニングを確立することを目指し①高齢者における運動時呼吸負荷トレーニングの効果的な負荷量設定に必要な、呼吸筋耐久力評価方法と呼吸運動パターン評価方法を開発すること、②開発した評価方法を用いて高齢者の運動時呼吸負荷トレーニングの運動生理学的効果を明らかにすることを目的に研究を進めている.前年度までの研究において,呼吸筋耐久力の評価手段を確立した.平成27年度は呼吸運動パターン評価方法を開発するため,呼吸フロー・呼吸筋筋電図・胸郭運動の同期測定手段を用いて計測データを取得できたが,横隔膜の筋活動評価の困難さが明らかになった.これに加えて,前年度に確立した呼吸筋耐久力評価手段を用いて,高齢者が行う運動時呼吸負荷トレーニングの基礎情報としての位置づけを含めて,健常成人における運動時呼吸負荷トレーニングの評価を実施した結果,運動頻度・運動強度・運動時間が同程度の従来の呼吸負荷無しの身体運動トレーニング方法よりも呼吸筋耐久力の向上効果が高い傾向と呼吸パターンの変化を生じさせることが明らかになり,このことは本トレーニングによる心肺持久力の向上のメカニズムに関連している可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は呼吸運動パターン評価のために計画した計測を実施したが,呼吸運動への貢献度が大きい横隔膜の筋活動評価の困難さがみられたため,呼吸運動パターン評価手法の確立に至っていない.しかしながら,平成28年度に行う高齢者におけるトレーニング評価に向けた前段階として健常若年者における運動時呼吸負荷トレーニングが呼吸筋耐久力を向上させる傾向を確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は呼吸運動パターン評価の困難さを解決することで,運動時呼吸負荷トレーニングの評価に有用な方法を見出すこと,本研究で確立した評価方法を従来の評価項目に追加して、高齢者を対象にトレーニング効果の運動生理学的検証試験を行うことを予定している.
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Causes of Carryover |
当該年度に実施した実験では機関内の筋電図計測装置を使用できたため,本予算にて購入せずに実施することができた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果公開のために論文掲載料としての使用を計画している.
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