2014 Fiscal Year Research-status Report
筋音図を用いた嚥下機能の定量的評価とバイオフィードバックへの試み
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26750200
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
沖崎 貴子 順天堂大学, 医学部, 助手 (40624854)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PVDFフィルム / 筋音図 / 嚥下運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,PVDFを用いて筋音信号を安定的に計測する方法について研究を行う.また,得られた筋音信号を解析し,嚥下運動を定量的に評価するための特徴量の抽出方法についても一部検討を始める.具体的な内容は以下の通りである. PVDFによる筋音信号の測定:筋音図は筋肉の収縮伸張に伴う微細な振動を記録するもので,筋の機械的活動が反映される.本研究では,その機械的活動(微振動)を測定するセンサとして,フィルム状のPVDF(PVDFフィルム)を使用した.このPVDFは,フッ素樹脂の長所である耐薬品性と良好な機械的・熱的・電気的特性を併せ持ったポリマーである.なお,測定の際のフィルタやアンプの構成については実験を通して決定するようにした. PVDFの最適配置の検討:PVDFを貼付する位置については,嚥下運動の客観的評価のために筋電図や聴診器を用いている先行研究を参考に,嚥下運動に支配的な筋肉の活動が取得できるようにする.また,PVDFフィルムを2次元アレイ状に配したセンサフィルムを喉部に巻き,筋音を複数のセンサで同時計測することで,筋音の発信源を特定し,筋活動量を定量化することも検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PVDFの最適配置について、周囲の筋肉の微振動や、嚥下に伴う粘膜の微振動等のアーチファクトが生じ、貼付最適位置の検討が更に必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
筋音図の解析方法の検討:嚥下運動時に特徴的に現われる信号の変化を抽出する.筋音図の解析方法は筋電図と類似しており,時間領域の解析では,時系列の振幅の変化,積分値,平均二乗振幅値(Root Mean Squared value: RMS値)といった指標が一般的に用いられる.また,周波数領域での解析では,高速フーリエ変換(Fast Fourier Transfer: FFT)でパワースペクトルを取得し,その平均周波数(Mean Power Frequency: MPF)や周波数中央値(MeDian Power Frequency: MDF)が指標として用いられる.本研究においても,これらの指標を用いて取得した筋音図を解析し,嚥下運動の評価に有用と思われる特徴を抽出するようにする.また,嚥下の際には筋音の他に咽頭部で生じる嚥下音および嚥下前後の呼吸音も収録される可能性があるが,嚥下運動の評価には有用と思われるため、それらの音も解析対象として抽出できるようにする。
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Causes of Carryover |
PVDFの最適配置について、周囲の筋肉の微振動や、嚥下に伴う粘膜の微振動等のアーチファクトが生じ、貼付最適位置の検討が更に必要であった為、当初購入を予定していた消耗品等の購入を一部先送りした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
適宜年度計画を見直しつつ、3か月単位での支出計画の確認を行う予定である。
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