2014 Fiscal Year Research-status Report
超音波刺激が筋衛星細胞,マクロファージ,筋細胞間のクロストークに与える影響
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26750205
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 講師 (00549313)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋損傷 / マクロファージ / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋損傷を受けた理学療法対象者が,早期に ADL 能力を獲得するためには,できるだけ早く筋損傷を回復させる必要がある.治療的超音波には,皮膚潰瘍,腱損傷,骨折の治癒促進効果があると報告されており,骨格筋への応用も期待されているが,詳細なメカニズムは不明である.これまでに,我々は遠心性収縮による前脛骨筋の筋損傷モデルラットを用いて,損傷2時間後に10分間の超音波刺激を1度だけ行うと組織学的,機能的に筋損傷からの回復を促進することを明らかにしている.そこで今回,超音波刺激によって筋分化調節因子である MyoD,Myogeninなどのタンパク量が変化するか,またサイトカインであるIL-6などのmRNAの発現量が変化するかどうかを調べた.その結果,MyoD,Myogeninのタンパク量は超音波刺激によって増加することが分かった.また,IL-6のmRNA量が増加することが示唆された. また,マウス骨格筋より採取した筋衛星細胞に対して超音波刺激による細胞応答を解析している.これまでに,マウス長趾伸筋から筋衛星細胞を剥離し,ディッシュに播種し筋衛星細胞を増殖させたのちに,分化培地へ変えることにより筋管細胞へと分化することを確認してある.また,超音波刺激を加えることで培地温度の上昇をしないこと,筋衛星細胞が基質から剥離しないことを確認してある.超音波刺激によって筋衛星細胞の増殖率が変化するかどうかを検証中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスから採取した筋衛星細胞に対して超音波刺激を加え,その増殖率を測定する予定だったが,増殖を測定するための培地の条件などを検証することに時間がかかったため,当初目的を達成できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
1)増殖率を測定する方法を確立し,H26年度の目的であった超音波刺激に対する筋衛星細胞,マクロファージ,筋管細胞の細胞応答の解析を実施する. 2)筋衛星細胞,マクロファージ,筋管細胞の共培養下での超音波刺激による細胞応答の解析を進める. 共培養に適した条件(培地組成など)を決定するのに予備実験が必要と考えられるので,1)の研究と同時に進行していく予定である.
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Causes of Carryover |
マウスから採取した筋衛星細胞に対して超音波刺激を加え,その増殖率を測定する予定だったが,増殖を測定するための培地の条件などを検証することに時間がかかったため,当初目的を達成できなかった.そこで,当初予定していた増殖率測定キットなどの購入をしなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に増殖率測定キットの購入に使用する.
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