2014 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲脳刺激法による脳卒中患者の運動学習への促進効果とその神経メカニズムの解明
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26750208
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Research Institution | Yamato University |
Principal Investigator |
中野 英樹 大和大学, 保健医療学部, 講師 (60605559)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非侵襲脳刺激法 / 脳卒中 / 運動学習 / 経頭蓋直流電気刺激 / 脳波 / リハビリテーション / 運動制御 / 安静時脳活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,非侵襲脳刺激法である経頭蓋直流電気刺激を用いて運動学習に関連した安静時脳活動を活性化させることが脳卒中患者の運動機能回復を促進させるという仮説について,運動パフォーマンスの変化から明らかにすると同時に,脳波計を用いて時間的・空間的な脳活動変化との関係性について検討することである.本年度は,健常成人を対象として,新規な運動学習課題を実施し,脳波計を用いて運動学習に関連した安静時脳活動について検討した.対象は,本研究に参加の同意を得た健常成人とした.被験者は,背もたれのある椅子に座り,非利き手でトラッキング課題を実施した.トラッキング課題3試行を1ブロックとし,計10ブロック実施した.各ブロック間には90秒の安静を設けた.脳波計を用いて,トラッキング課題ならびに安静時の脳波活動を計測した.時間周波数解析ならびにeLORETA(exact low resolution brain electromagnetic tomography)解析を用いて,得られた脳波データを時間的かつ空間的に解析した.結果,安静時における感覚運動領域ならびに頭頂領域のアルファ・ベータ帯域の事象関連脱同期の活動は,運動技能獲得に関連する傾向を示した.この結果から,安静時に運動計画ならびに運動記憶の保持・更新が行われていることが示唆された.このような脳活動を操作することにより,運動技能獲得をより促進できることが期待される.現在は,被験者数を増加させるともに,運動パフォーマンスに応じた脳波活動の時間的・空間的な変化についてより詳細な解析を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,本年度は健常成人を対象として,運動学習に関連した安静時脳活動について検討できた.本年度に得られたデータは,次年度以降の学会発表ならびに論文投稿に向けて準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたデータは,次年度以降に学会発表を行うと同時に,速やかに論文化し国際誌へ投稿する予定である.次年度は,前年度に得られたデータを基に,経頭蓋直流電気刺激を用いて運動学習に関連した安静時脳活動を操作する介入を行い,新規な運動学習課題における運動パフォーマンスの変化ならびにその神経科学的根拠としての脳活動変化について明らかにする予定である.
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Causes of Carryover |
本年度分の未使用額が生じた理由は,論文投稿を優先するためにデータ計測ならびに解析を主として本年度の計画を実行したため,国際学会での発表を控えたためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,当初の計画通り,実験消耗品,被験者謝金,研究成果発表のための旅費,英文校閲費,論文投稿費などを計上する.
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Research Products
(16 results)