2014 Fiscal Year Research-status Report
重度視覚障害者用タッチパネル式インタフェースの当事者参加型設計環境の構築
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26750218
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視覚障害 / タッチパネル / ユーザインタフェース / アクセシビリティ / ユーザビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「視覚障害者にとって使いやすいタッチパネル式端末のユーザインタフェース(以降、UI)を視覚障害者自身が設計するための環境」の構築である。ソフトウェアにおける操作ボタン等のUI設計を視覚障害者がタッチパネル式端末上で行なえるシステムを開発する。平成26年度は「予備調査」および「タッチパネル式UI設計システムの仕様決定、制作開始」を実施した。 視覚障害者のアクセシビリティおよびユーザビリティを考慮したUI設計システムの仕様を検討するために、想定するユーザ(音声で端末を使用する視覚障害者)の特性と動作および画面上の探索行動について観察およびヒアリング、文献調査を実施した。また、学会に参加し、視覚障害者向けUI開発の最新動向を調査した。これらの調査結果を基に、音声を使用したタッチパネル式UIの操作上の機能と制約について分析した。 上記分析結果を踏まえ、UI設計システムのナビゲーション、ソフトウェアの基本テンプレートとそのUI構成パーツ、その他の仕様について決定した。また、各種タッチパネル端末(iPad、Android・Windows端末等)と音声ソフト(VoiceOver、ドキュメントトーカ、PC-Talker等)の機能と操作性を検証し、開発対象とするタッチパネル端末を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視覚障害者向けUI設計システム開発のための予備調査が概ね終了し、システムの仕様が確定した。また、システム開発のための環境も構築できたため、平成26年度の目標は概ね達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
視覚障害者の意見を反映させながらUI設計システムの開発を進め、システム完成後は評価実験を行ないシステムの有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、UI設計システムの開発は初年度から予備調査と並行して長期的かつ段階的に実施する予定であったが、予備調査を進めた結果、予定していた開発方法では予算以上の費用がかかることが明らかとなった。そこで対策として、開発対象端末を視覚障害者に最も普及している端末のみに絞り、かつ、システム開発にかかる予算として平成26、27年度分を合算し、平成27年度に集中的に開発を実施することにより、予算内でのシステム開発を実現することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度分と合わせて、主にUI設計システムの開発とシステム評価実験の実施に使用する予定である。
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