2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of virtual reality system for upper limb training with electromyogram biofeedback and motor imagery
Project/Area Number |
26750226
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 貴子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (60549343)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動観察 / 運動イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,橈骨遠位端骨折患者を対象に,上肢運動イメージ練習プログラムの臨床データ収集を継続した.上肢運動イメージ練習プログラム実施群6例,対照群9例を対象とし,関節可動域の実測値,実測値と患者予測値との差,ADL関連指標を調査した.これらの指標の上肢運動イメージ練習に伴う時系列的変化様式を検証するため,各指標の値を最小二乗法により指数関数に近似させ,プラトーに達するまでの期間を時定数によって評価した.その結果,両群ともに全ての指標が受傷後早期に改善率が大きく,その後にプラトーに近づくという指数関数に近似した回復機序を示した.また,時定数は,関節可動域実測値と患者予測値との差,関節可動域の実測値,ADL関連指標の順に大きく,この順序で回復することが示唆された.しかし,時定数の値に介入による群間差は認めなかった.このことから,今回のイメージ練習条件は関節可動域の自己予測やADLに関連するような,多様な手の使用の回復を促進することは困難であると考えられた.そこで,上肢運動イメージ練習プログラムの映像観察システムを改良した.これまでの映像観察システムは,被験者に応じた右眼用と左眼用の画像の距離調整の必要があり,立体感の程度は被験者によって異なった.新たな映像観察システムでは,head mount displayでCG画像に変換された自らの手を観察でき,小型モーションキャプチャによって取得した手の位置情報から画像を再現することができるシステムとした.この仕組みはADLの手指関節運動練習への対応が可能である.さらに,モデル画像を撮像し,モデル画像と実際の手を比較し,色調を変化させて運動範囲をフィードバックできる機能と,実画像の再生における時間的遅延と空間的遅延を生じさせる機能を追加した.今後は,より応用的な仮想現実内の運動練習方法を検証する.
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