2014 Fiscal Year Research-status Report
先天性上肢欠損、外傷性上肢切断に対する個性適応型情報処理に基づいた筋電義手の開発
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26750229
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高木 岳彦 東海大学, 医学部, 講師 (00348682)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋電義手 / 感覚フィードバック / 切断肢 / 欠損肢 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度については手指表面のテクスチャを模倣し、全方位センサを内蔵した人工神経の開発に主眼を置き、先ずは高耐久性超弾性シリコン材料クリスタルゲルを用いて装飾用グローブを以下の様に試作、開発した。開発したグローブについては外観、耐久性、質感、柔軟性について考慮されたものであるが、特に物体把持性能の設計要件においては,Pick-and–Place実験の成功率80%以上であることを設計目標とした。安定した把持ができることを目標に、グローブの仕様を手の甲側については雛の部分を薄くすることで曲げやすくしたり指の中央部よりも指先や母指の付け根を肉厚にするなどして義手と追従し自然な曲げや掴みを行えるものとした。 グローブにより筋電義手動作に対する負荷の検証実験では従来用いられてきた塩化ビニル製グローブで存在するロボットハンドに対するグローブに依存する負荷が存在するのに対して、多くの条件下でクリスタノレゲノレ製グローブを装着した際のロボットハンドへのグロープによる負荷は低く抑えられた。Pick-and–Place実験ではその成功回数でクリスタルゲル製の方が優ったが、これは伸縮性が高いことから義手に余計な負荷がかからず、手指の開閉速度が減速しないためと考えられる。これはグローブに余計な負荷がかからずロボッ卜ハンドに追従し動きを妨げないということを意味し、今後義手に用いる装飾用グローブとして有用と考えられた。 今後、さらに触覚、位置感覚の識別が可能な義手を開発すべく、感覚センサの試作を進めていく。また運動系においても母指の屈伸、対立運動が可能となるような筋電識別法を構築するなど、コンプライアンスの高い義手の開発を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前から筋電義手の開発研究に携わっている電気通信大学情報理工学研究科横井浩史研究室にて主に施行してきた。同研究室の支援、協力を得ながらおおむね順調に進めてきたものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画通りに人間特有の手指の基本動作、機能を有した義手を開発を進めていきたいが、被験者への意見も取り入れつつ、コンプライアンスの高い義手の開発を進めていきたいと考えている。 具体的には東海大学病院、国立成育医療研究センターとの連携を取りながら外傷性の切断肢、先天性の欠損肢へ適応し、それに合わせて機能評価なども進め、問題点を明らかにしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
引き続き患者のコンプライアンスを上げるため機能的にも整容的にも人間の手指に近づいた義手の開発に主眼を置くが、被験者へ実際に使用していただく発展的な義手の作成に試行錯誤がさらに生じる可能性があるため次年度への繰越をさせていただいた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
具体的な義手作成に入るため製作費、成果報告のための出張旅費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)