2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship of an aspiration and the breathing disorder to be complicated with spinocerebellar degeneration-Making of the program to prevent an aspiration-
Project/Area Number |
26750233
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
内田 学 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (80531475)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 舌骨下筋 / 呼吸筋 / 姿勢 / 運動失調 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、科学研究費の最終年度であり平成26年~27年度の研究結果をもとにした研究成果とした。脊髄小脳変性症に発生する嚥下障害は、純粋な嚥下機能だけによるものではなく、体幹や四肢に出現する運動失調を背景にした因子が強いことを明確にした。具体的には、食事を摂取する際の姿勢に影響を及ぼすことになっている座位バランスである。脊髄小脳変性症座位姿勢の患者に出現しやすい運動失調は、感覚情報のフィードバックが困難であることで食事摂取に必要な体幹、頭頚部の正中位保持が困難となっている。そのような中でも抗重力位に位置させるために伸展反応を増強するが、その反応は粗雑さが目立ちさらに運動失調を増強させるものになっていた。食事摂取のために実用的に使用する上肢に失調が生じること、その失調により食塊の移送作業が雑になり、頭頚部が過剰に前屈することで嚥下関連筋としてさようする顎二腹筋や甲状舌骨筋が嚥下時に作用するのではなく、運動失調によって崩れた姿勢を保持するための作用として関与する。これは嚥下での作用効率が低下していることになっており、誤嚥の下人となっていることを明確にした。頚部の前屈姿勢は、補助呼吸筋にも過剰な筋緊張を生み円滑で安楽な食事時の呼吸リズムを崩壊させていた。この状態は、COPDなどに代表される疾患の異常呼吸形態に類似しており、補助呼吸筋の過剰な活動により換気効率が著しく制限されていた。肺胞低換気に相当する呼気終末二酸化炭素濃度も増加するという傾向を示した。換気を促すためのリラクゼーション、呼吸練習などにより補助呼吸筋の活動が減少しいていた。呼吸介助手技やリラクゼーションなどにより換気効率は著しく改善した。この介入効果は、頚部の過剰な筋活動を抑制させられ、結果的に嚥下関連筋を好転させるものになっていた.
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