2015 Fiscal Year Annual Research Report
コルチコトロピン放出ホルモンが運動学習に及ぼす影響
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26750240
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹内 絵理 東海大学, 創造科学技術研究機構, 特定研究員 (70712777)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コルチコトロピン放出ホルモン / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
コルチコトロピン放出ホルモン(Corticotropin releasing hormone: CRH)は41個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、視床下部の室傍核ニューロンから分泌され、視床下部-下垂体-副腎系を介した生体のストレス反応系において中心的な役割を担っている。近年、CRHは中枢神経系においても重要な役割を果たしていることが示された。小脳においては、CRHは長期抑圧と呼ばれるシナプスの可塑性の誘導に必要であることが報告されている。長期抑圧は平行線維-プルキンエ細胞間シナプスの伝達効率が長期にわたって減弱する現象であり、運動学習の細胞レベルでの基盤メカニズムであると考えられている。CRH が長期抑圧に必要であるならば、CRH は運動学習の獲得にも影響を与えることが推測される。そこで本研究はCRHが運動学習に及ぼす影響について調査することを目的とする。 昨年度の結果を踏まえて、平成27年度は小脳へのCRH 受容体阻害薬の局所投与が歩行協調運動学習の獲得に及ぼす影響について検討した。実験動物としてWistarラットのオスを用い、ラットをCRH受容体阻害薬注入群とPBS(リン酸緩衝生理食塩水)注入群に分けた。運動学習課題としてロータロッドテストを用いた。CRH受容体阻害薬を小脳に注入したラットはPBSを注入したラットと比較し、回転するロッド上における滞在時間が減少し、運動学習獲得が障害された。
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Research Products
(2 results)