2016 Fiscal Year Research-status Report
スノーケリングを用いた水泳指導教材の開発と効果検証
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26750247
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
田原 亮二 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70441780)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スノーケリング / 水泳指導 / クロール泳 / 技能評価 / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はスノーケリングを教材として用いた水泳指導を小学生に対して行い,その学習効果を泳動作の変化から検討した. 小学生21名(男児3名,女児18名)を対象に合計6時間の授業実践を実施した.スノーケリング器材の脱着を繰り返しながら,ストリームラインの確認,キックの練習,キャッチアップクロール,息つぎの練習を組み込んだ授業を展開した.初回授業および,3回目の授業においてクロール泳の泳力チェックを行い,泳距離の測定を行った.泳力チェックの様子をプールサイドからビデオカメラを用いて撮影し,授業前後のクロール泳における技能の変容を合屋ら(1992),金沢ら(2014)を参考に作成したクロール泳動作の評価基準を用いて評価した.評価項目はボディポジション,プル動作,キック動作,息継ぎ動作の4項目についてであった. 授業前後でクロール泳による泳距離の比較を行ったところ,授業前(9.3±9.0m)から授業後(13.6±10.0m)にかけて泳距離に有意な伸長が認められた(p<0.05).可泳距離25m以上の割合は,授業前14.3%(3名)から授業後28.6%(6名)へと向上した. クロール泳動作に関してはボディポジションとキック動作に関して顕著な向上が認められた.ボディポジションの習得はマスクとスノーケルの使用により,頭の位置が安定したことと,フィンの使用により脚部の浮力が増大したことに起因すると考えられる.また,フィンの使用は水の抵抗感を増大させムチ動作キックを助長させる(鎌田ら,1993)ことから,キック動作の改善につながったと考えられる. スノーケリングを用いたクロール泳の指導は実質6単位時間程度であったものの,クロール泳動作の習得に大きく貢献し,泳距離も伸長した.しかし,器材の使用方法や装着に多くの時間を要するため,この点をどのようにして短縮するかが授業運営上の課題と言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年4月に配偶者が出産し、その後、育児休暇を取得したため、その期間に関しては全く研究活動をすることができなかった。また、その後も生活形態が激変し、育児に割く時間が増大したため研究が遅滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
小・中学生を対象とした指導教材および授業計画の基本構造は完成しているが、修正や新たな教材、指導方法も試作段階にあるので、それらを今年度の授業実践に組み込み、過去の研究データとの比較から指導効果について検討したい。また、今年度は作成した授業計画を小・中学校の教員に実践してもらい効果検証することを予定している。
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Causes of Carryover |
進捗状況に記載した理由により研究を遂行できなかったため、研究期間を延長しており、それに伴い余剰金が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究の最終年度となるため、研究報告をまとめるための費用および、学会発表のための旅費として使用する予定である。
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