2015 Fiscal Year Research-status Report
体つくり運動における「ほぐし」と「体力向上」の融合型教材試案
Project/Area Number |
26750249
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
檜皮 貴子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (50463948)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体つくり運動 / 教材試案 / 体のバランスをとる運動 / 体ほぐしの運動 / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
体つくり運動領域では、「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動・多様な動きを高める運動」の内容が別々に示されているが、そもそも「子どもたちが動くことそのものを楽しむ」観点から考えると両者を独立させて捉えることには疑問が残る。そこで、本研究は、「体ほぐし」と「体力を高める運動・多様な動きを高める運動」の融合化を目指した教材を試案し、「体つくり運動」だからこそできる豊かな運動内容を検討することを目指す。 そのため研究2年目に該当する今年度は、初年度に得られた「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動・多様な動きをつくる運動」の実践例の調査結果を参考に、「体つくり運動」の教材としてほぐしと体力向上を融合させた運動教材を新たに試案した。そのため、まず、多様な動きをつくる運動の「体のバランスをとる運動」において身につけさせたい動きを出発点とした。具体的には、身体重心が支持基底面から外れるようなアンバランスな運動を繰り返し実施させることで危険な転倒を回避できる力を身につけさせると同時に、仲間とともに、また自らの能力に合わせて実施できるような運動内容を考えた。すなわち、体ほぐしの「交流」「気づき」「調整」の観点も大切にしたバランス運動を試案した。その運動内容を実施するために、小学校中学年を対象とした3時間の単元計画と授業案を作成した。その試案した「体つくり運動」の単元モデルを、小学3年生を対象に体育授業で指導実践した。その授業の様子をビデオで撮影するとともに、授業後に、運動に関する質問や形成的授業評価などの内省調査を行い、小学生にとっての楽しく魅力的な運動についての意見を得た。形成的授業評価では、「学び方」の項目について、高い評価が得られたことがわかった。次年度の研究に向けて、内省調査や形成的授業評価、記録した映像を参考に、教材の再検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目であった該当年度は、初年度に得られた「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動・多様な動きをつくる運動」の実践例をもとに、「体つくり運動」の教材としてほぐしと体力向上を融合させたの教材を試案すことであった。3時間分の単元計画を小学校3年生を対象に作成した。その試案した「体つくり運動」の単元モデルを、実際に体育授業で行うことができた。授業実践場面の映像を記録し、授業後には児童に運動についての内省調査を行い、小学生にとっての楽しく取り組みやすい動きについて意見を得ることができた。 以上より、今年度の研究課題は、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
小学3年生を対象にした授業実践で得られた内省調査の結果および映像記録の観察により、単元案を再検討する。再検討された「体ほぐし運動」と「体力を高める運動・多様な動きを高める運動」の融合教材や単元案をWeb上で発信する。そのプログラムに関する現場における教師の意見を得て、実用に向けた「体つくり運動」の一教材としての構築を図る。 新潟市内の小学校5校に協力を得て、本研究で考案した融合型「体つくり運動」教材について、Web上で限定公開し、小学校教員から無記名の自記式アンケートで意見を収集する。Web公開ができなかった場合は、DVDを作成し配布する。最終年度の研究成果については、関連学会での発表および論文投稿を予定している。
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