2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26750253
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Research Institution | Gifu Keizai University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉人 岐阜経済大学, 経営学部, 准教授 (50409299)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体育理論 / コンピテンシー / 市民形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本ならびにイギリスの中等教育学校における体育の知識学習について理論的・構造的・実践的に明らかにし、その研究成果に基づいて義務教育で教えるべきスタンダードとして「体育理論」の教科内容を構成することを目的としている。そのための研究課題として①体育の知識、「体育理論」の教科内容研究の基礎となる理論研究、②戦後日本の中学校体育のにおける知識、教科内容としての「体育理論」の位置、③イギリス中等教育学校における体育の知識学習の研究という3つの研究課題を関連づけ、研究を進めている。初年度の研究課題は、①の研究課題を中心に教育学ならびに体育科教育の学力論議における「知識」構造、ならびに体育における「体育理論」の教科内容の理論的根拠を明らかにすることである。 今年度の研究成果は以下の通りである。「体育理論」の教科内容研究の基礎となる理論研究として、世界的な教育政策の潮流となっているOECDのDeSeCoキー・コンピテンシーの視点から「体育理論」の学習内容を検討し中学校体育における「体育理論」の研究課題を明らかにした。この研究については、「中学校『体育理論』における『キー・コンピテンシー』:学習指導要領に着目して」というテーマでまとめた(岐阜経済大学論集 第48巻第3号、岐阜経済大学学会)。また、「体育理論」に関わる先行実践の検討から実践的な課題を明らかにすることを目的に2つの研究をまとめた。「地域とつながる学校体育:『市民形成』の教育を手がかりに」(運動文化研究、第31号、学校体育研究同志会)、「今、オリンピックを学習の対象にする意味」「たのしい体育・スポーツ号外第148回学校体育研究同志会全国研究大会提案集」、学校体育研究同志会)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の研究課題は、教育学ならびに体育科教育の学力論議における「知識」構造、「体育理論」領域における教科内容の理論的根拠を明らかにすることであった。上述したように、教科内容の理論的根拠を明らかにすることとしてDeSeCo「コンピテンシー」の視点から考察することはできた。また、コンピテンシーに関わって、「体育理論」の先行実践を検討すことができた。しかしながら、教育学における学力論議における「知識」構造については検討は、十分に検討できていない。また他教科においても十分に検討できていないことから「やや遅れている」。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究課題は、上述した昨年度の研究の遅れた課題を継続的に取り組むとともに以下の研究課題を遂行する。 戦後日本の中学校体育のにおける知識、教科内容としての「体育理論」の位置づけについて明らかにする。具体的には、戦後日本の学習指導要領において「知識」がどのように位置づいてきたのか制度的根拠を明らかにし、体育における知識、ならびに「体育理論」の教科内容の位置づけを明確にする。保健体育科の検定教科書や教師用指導書も分析対象とする。 また、「体育理論」の先行実践も分析対象とし、行政資料・文献およびフィールド調査により中学校体育現場が抱える問題を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究計画の見直しにより、イギリスへの調査を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度にイギリスにおいて調査できなかった分、平成27年度にやや長く滞在し、調査研究行う。
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Research Products
(3 results)