2014 Fiscal Year Research-status Report
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26750256
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
山口 英峰 吉備国際大学, 社会科学部, 准教授 (30388996)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 朝の軽運動 / 概日リズム / 脊髄の興奮性 |
Outline of Annual Research Achievements |
早朝は生体がアンバランスな状態であることから,適切な運動によって脳,神経系および筋系の活動性の閾値に刺激を与え,一日の運動パフォーマンス向上や良いコンディショニング調整を可能にすると考える.つまり,朝の軽運動は,「運動」がトリガーとなり,1日のリズムを整え,夕方のフィットネスレベルを亢進させると考えられる.本研究は,朝の軽運動が生理指標の概日リズムを整える科学的根拠を明らかにすることを目的とした.平成26年度は,一過性の朝軽運動が脊髄の興奮性の概日リズムを整える可能性について検討した. 成人男性8名を対象とした.朝運動の効果を確認するために,朝軽運動を行う朝運動条件,朝運動を行わないコントロール条件を設定した.両条件において16時に下肢最大筋力および上肢最大筋力を測定した.朝軽運動の種類は,ハンドエルゴメーター(上肢運動)とした.朝運動条件における運動時刻は8時30分,運動強度は最大酸素摂取量の40%強度,運動時間は30分とした.測定項目は,直腸温,心拍数,自律神経系調節,最大筋力,H反射(脊髄の興奮性評価),歩数(1日500歩以内に制限)とした. 本研究では,①朝運動の有無で夕方時の最大筋力は変化しないこと,②朝運動の有無で夕刻の生理学的パラメーターは変化しないこと,③脊髄の興奮性は朝運動により低下傾向を示すことが明らかになった.脊髄の興奮性に関しては個人差も大きく,朝軽運動が脊髄の興奮性の概日リズムを整える可能性を示唆するにはいたらなかった.平成27年度は朝運動習慣をもつ被験者を対象に研究を進めることで,朝運動の効果を検証できると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に実施を予定した研究課題について,概ね遂行できたものと考える. 朝軽運動の効果について,一部分を明らかにすることができたと考える.今後は,朝運動習慣がある対象者数を増やし更なる検討を行う予定である.平成27年度の研究課題は研究協力者とすでに打ち合わせも行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,平成26年度の実験方法と同様の手法を用いて,対象に朝運動習慣がある被験者で行う予定である.夕方運動時のパフォーマンス評価には,最大筋力に加えて敏捷性測定を追加で行う予定である.また,朝運動習慣がある対象者数を増やし更なる検討を行う予定である. 得られた研究成果は,国内学会(日本体力医学会大会,日本体育学会大会など)で公表し,評価を受ける.原著論文として学術雑誌に投稿する.ホームページ等に本研究結果を公表し,本研究の知見普及に務める.
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