2014 Fiscal Year Research-status Report
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26750259
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
横山 慶子 工学院大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30722102)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リターンマップ / ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な集団スポーツにおいて,ゲームの流れやチームのリズムという表現がなされるが,その実体は明らかではない.本研究の目的は,こうした多人数間のコミュニケーションによって成り立つ集団的挙動のダイナミクスをリターンマップと呼ばれる数理的手法を用いて,明らかにすることである. 本年度は,ゲームデータの計測と集合変数の指標化を行った.まず,ゲームデータの計測に関しては,サッカーゲームを対象として,プレイヤーの動きが映りこむ位置にハイヴィジョンビデオカメラを設置してプレイヤーの動きを計測した.得られた画像は,2次元軌跡・行動分析システムを用いて解析した.特に,画像色度による自動追尾をスムーズに行うために,様々な画像処理方法について検討を進めた.また一方で,集合変数の指標化に関しては,既に取得済みのゲームデータを用いて,連続変数と離散変数の双方の側面から,ゲームの流れおよびチームのリズムに関する集合変数の検討を進めた.具体的に連続変数に関しては,チーム内のプレイヤーのコート上の拡散度を表す変数(チーム集散変数)や,チーム内の繋がりの程度をパスの出し易さにより評価した変数(チーム結合度)などを定義し,その指標化の類似性や相違性を検討した.また一方で離散変数に関しては,チーム内でパスを繋ぐ際のボール保持の時間間隔や,攻守の切り替わりの時間間隔など,ゲームイベントに関わる時間的な側面を評価する変数の指標化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲームデータの計測・解析においては,画像解析や数値解析に時間を要したものの,今後に繋がる手法を確立したといえる.また一方で,集合変数の指標化に関しては,当初の予定通りに連続変数と離散変数の検討を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に検討したゲームデータの計測・解析手法を用いて,より多くのゲームデータを作成する.さらに,これらのデータの集合変数をリターンマップ分析に適用することで,ゲームおよびチームのダイナミクスの検討を進める.
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Causes of Carryover |
当初の計画では,2次元軌跡・行動分析システムの購入を予定していたが,研究協力者と共同で使用できる環境が整ったため,システムの購入を見送った.その結果,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,リターンマップの適用と並行して,更に多くのゲームデータの計測・解析を進める予定であり,画像解析の補助のための人件費として使用する計画である.
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