2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on figurative language instructional model in early childhood physical education
Project/Area Number |
26750274
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
永山 貴洋 石巻専修大学, 人間学部, 助教 (20451502)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼児体育指導者 / 認識論的信念 / 比喩的な指導言語 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,幼児体育指導者4名,幼児体育教室に通う幼児47名を対象として,実際の指導場面において優れた幼児体育指導者が幼児との相互作用の中でどのように比喩的な指導言語を使用しているのか,について明らかにすることを目的として調査を実施した。分析の結果,比喩的な指導言語は,体育教室開始,終了時,ホール内の移動などのマネジメント場面,運動技能の説明を行うインストラクション場面で主に使用されていることが明らかとなった。このうち,インストラクション場面において比喩的な指導言語は,①動作全体のイメージを提示すること,②動作の適切な形を示すこと,③動作のタイミングを示すこと,④適切な動作の結果として得られる動作感を示すことを意図して用いられていた。本研究の対象者は,幼児との相互作用の中でその子どもの運動技能や言葉の理解の程度に合わせて比喩的な指導言語を選択していた。具体的には,跳び箱や縄跳びなどの運動経験が比較的少ない年中児に対しては,動作全体を表す比喩や適切な動作の形を示す比喩を提示し,幼児が動作の全体像をイメージできるように指導している場面が多く観察された。一方で,運動経験が比較的豊富であり,幼児体育教室で使用される言葉の理解が進んだ年長児に対しては,動作のタイミングや適切な動作の結果として得られる動作感を比喩で示し,幼児が自分で動作を修正したり,適切な動作の感覚に気づくことができたりするように働きかけている場面が多く観察された。これまでの調査において,優れた幼児体育指導者は,幼児自らが試行錯誤して運動技能を習得すべきだという信念を有していることが明らかにされている。本研究の結果,幼児の自発的な学びを促すことを重視する指導者の信念が,比喩的な指導言語の用い方にも関係している可能性が示唆された。
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