2014 Fiscal Year Research-status Report
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26750282
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 柔道 / 教育 / 一貫指導 / 競技者育成 / 護身術 / 指導法 / 競技スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はドイツにおける柔道教育の展開及びその現状を問題とする。①「戦後のドイツでの柔道の主な展開と傾向」②「現在のドイツ柔道連盟の教育に関する方針」,③「柔道教育の現状」,④「日本とドイツでの現状の比較較」の四段階に分けて考察を行っている。本年度は第一段階として第一次資料の分析に基づいて東西ドイツの両国に分けて敗戦後から1989年までの戦後のドイツでの柔道の主な展開と傾向を考察した。結果として以下のことが明らかになった。第一に旧東ドイツ(ドイツ民主共和国)における柔道の主な展開と方針について考察した。旧東ドイツにおいて柔道が武道ではなく、レスリング、ボクシングやフェンシングと共に対人競技として定義され、競技スポーツとしての柔道を意味する「柔道格闘技」(Judokampfsport)、軍人と警察官の訓練に採用された「柔道護身術」(Judoselbstverteidigung)に大別された。青少年(10-19才)の柔道教育は競技者育成を目的とした基礎トレーニングから強化選手への育成まで至る一貫指導システムに基づいていた。このシステムにおいて長期間の競技者育成が強調され、選手の柔道技術(投げ技、固め技、得意技等)と体力レベルを評価するための柔道専用のパーフォマンス診断方法と基準が発達され、定期的に実施された。第二は、旧西ドイツ(ドイツ連邦共和国)における柔道の主な展開と方針について考察を行った。西ドイツにおいても柔道が競技スポーツとして普及するが、東ドイツより民間のスポーツクラブを中心とする一般スポーツ(Breitensport)としても広がる。又、1970年代に入ると、子供の柔道人口が増えると同時に子供を中心とするスポーツへと展開し、柔道の教育性を強調する子供用の指導法の開発が始まる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツを中心に資料収集を行った結果として研究はほぼ計画通りに進んでいる。旧ライプチヒ体育大学において東ドイツの柔道に関する資料が数多く手に入ることができ、分析もほぼ完了できた。また、ベルリンのフンボルト大学スポーツ科学研究科所属図書館において西ドイツと再統一以降のドイツの資料の収集もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づいて平成27年度に(2)「現在のドイツ柔道連盟の教育に関する方針」を考察し、特に2000年以降に出版された指導書の分析を予定している。また、戦後の東西ドイツの両国、再統一以降と現在のドイツの指導法を一般スポーツ、競技スポーツ、学校体育の三領域に分けて把握する。以上の分析に踏まえてドイツでの柔道の教育思想の捉え方、技法と稽古法の指導法の特性を考察する。
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Causes of Carryover |
外国旅費の使用額は予算より低くなったため、経費が残っている。また、本年度の資料収集が計画通りに進んだため、本年度に予算した日本国内での資料収集は初年度の段階において不要になった。その理由で、国内旅費は平成27年度に使用することにする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度はドイツと日本国内での研究調査を計画しており、成果発表を行う予定もあるので、平成26年度の残額を旅費として使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)