2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26750284
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
押見 大地 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (40711205)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会効果 / スポーツイベント / 調整変数 / 住民評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際的スポーツイベントが開催地に及ぼす社会効果を検証することを目的として、開催地住民のスポーツイベントに対する社会効果の認識を測定する尺度を開発し、①妥当性及び信頼性の検証、②イベントへの興味がもたらす調整効果の検証を行った。結果、尺度の信頼性及び妥当性が確認され、社会効果の認知を測定することが出来る尺度が開発された。本尺度を使用して、国際的スポーツイベントである、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムを対象に地域住民の社会効果への認知を測定したところ、①社会効果への認知はイベント前に比べてイベント後に減少する傾向がある、②イベントへの興味が社会効果へのポジティブな認知に調整変数としての役割を持つことが明らかとなった。①の結果はこれまで行われてきた社会効果に関する研究と同様の傾向を示しており、開催地住民がスポーツイベントに対して過度な期待を持ち、実際にはその効果を期待通りには実感できていないことが実証的に明らかとなった。イベントマネジメントの観点から捉えると、イベント誘致や継続的な開催にあたり開催地域住民の理解は重要な要素の一つとなるが、過度な期待を抱かせることでネガティブな期待不一致によってイベント後の住民の反発に繋がる可能性が考えられる。②に関しては、イベントへの関心を高めることでスポーツイベントがもたらす効果への評価が高まることが示唆された。本研究の意義としては、社会効果の認識を測定する尺度の妥当性及び信頼性を検証したことに加え、イベントへの興味が社会効果への認識に対する調整変数としての役割を持つことを実証的に明らかにした点にある。近年スポーツイベントへの効果に対する実証的な検証は増加傾向にあるものの未だ発展途上であり、イベントの客観的な効果検証と適切な情報提供、そしてイベントへの興味喚起の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の一つである社会効果を測定する尺度の開発を終え、その結果も良好であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、別の研究目的であった、イベント開催地の都市イメージへの効果に焦点を当てた検証を行う。
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Research Products
(1 results)