2015 Fiscal Year Research-status Report
市民参加型スポーツのエスノグラフィー:社会的承認を獲得するスポーツ組織の諸要素
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26750285
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
関根 正敏 作新学院大学, 経営学部, 講師 (60638956)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域スポーツ / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域社会から社会的承認を獲得する市民スポーツの実相について、エスノグラフィックな調査に基づきながら明らかにすることである。非営利組織(NPO)がいかに社会から認められるのかという問題については、近年の非営利組織研究における重要テーマの一つであり、スポーツの領域でも敷衍すべき検討課題である。我が国では行政当局が主導する形で全国に「総合型地域スポーツクラブ」という非営利組織(地域住民組織)が設置されてきたが、そうした諸組織はいかに社会的承認を得ていくのだろうか、そのプロセスの実態を明らかにすることを目指している。 研究プロジェクトの2年目にあたる本年度には、当該地域社会のスポーツ実践に大きな影響を与える政策に着目し、その形成・実施・評価のプロセスに関連するデータを収集することを主目的とした。先行研究における知見を整理するとともに、膨大に存在する行政文書の中から、地域スポーツクラブに関わるものを抽出し、データ整理を行った。今後の研究展開に重要となる基礎的データ(政策関連データ)が収集できたことは、本年度における大きな成果の一つである。 また、本年度においては、この研究の重要なテーマの一つである「コミュニティ」という概念ついて、古典的な研究蓄積を検討しながら、理論的検討を深めた。その成果については、スポーツ推進委員など、全国の多くのスポーツ関係者が目にする地域スポーツ関連雑誌に「用語解説 コミュニティ」という記事として寄稿した。平易な言葉でコミュニティの考え方を紹介することで、スポーツによるづくりの重要性と困難さを啓発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初からの計画通り、「政策プロセス分析」を実施し、翌年度の研究推進の基盤となるデータを整理できたため。この分析については、今後も継続的に検討を加え、精度を高めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、地域の中で社会的な承認を獲得してきた住民の活動経緯を分析する(「住民分析」)。これまで「地域構造分析」「政策プロセス分析」等を通じて蓄積してきたデータを活用しながら、あらたなフィールドワークを通じてデータを収集していく。
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Causes of Carryover |
翌年度に集中的な調査を計画しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額については、調査旅費として活用する。調査期間を1日延長することで、これまでの調査で欠けていたデータをフォローアップする。
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