2014 Fiscal Year Research-status Report
球技スポーツにおけるコーチング支援のための映像処理手法の開発
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26750296
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
尾山 匡浩 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80583749)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シーン検出 / ラグビー / HOG / SVM / スポーツ映像 / コーチング / スポーツ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スポーツにおけるコーチング支援を目的として,(1)試合映像から自動的に所望のシーンを抽出する手法,(2)試合全体を通した選手のパフォーマンスが評価可能になる選手やボールの追跡手法,これらの手法について確立するともに,それらを組み込んだアプリケーションを開発する.対象とするスポーツは,今までに研究事例が少ないラグビーであり,平成26年度から平成27年度にかけては(1)のシーン抽出に関する研究に取り組む予定である.平成26年度は,主に次の項目を実施した. (a)動画像の取得:1台のビデオカメラを用いてグラウンドの種類(土・芝)や天候など様々な条件下でラグビーの試合の撮影を行った.この際に使用するビデオカメラは,アマチュアのチームでも使用できることを考慮し,家庭用のビデオカメラを使用した. (b)動画像からの人物検出の実施:最終的なシーンの特定は,人検出の結果およびシーンの大分類を行った結果とを統合することで行う.特徴量としてHOGを,人か背景かを分類するための識別器としてSVMを用いて,動画像からの人検出を試みた.その結果,約90%以上の精度で検出が可能であることがわかった. (c)特定のシーンの検出:シーンの大分類を実施するにあたり,まず動画像からスクラムシーンのみ抽出ができるか検討した.手法としては,人検出と同様の方法を用いた.実験の結果,80%以上の精度でスクラムシーンの検出が可能であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度から平成27年度にかけてはシーン抽出に関する研究に取り組む予定である.そのため,人検出とシーンの大分類を実施し,それらの結果を統合することで最終的な5種類のシーン分類が可能となる.今年度は,人検出とシーンの大分類の途中までを実施することができており,概ね計画通りに進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度もシーン抽出に関する研究に取り組む予定であり,具体的には以下の項目を実施する. (1)シーンの大分類:本研究では,試合映像を5種類のシーン(スクラム・ラインアウト・モール&ラック・プレースキック・その他)に分類しようと考えている.その中で,比較的判別のしにくいスクラムとモール&ラックを1つのカテゴリとして,大分類を実施する.その手法としては,現在までに行っている方法を適用し,その結果によっては他の手法も試す予定である. (2)シーンの詳細分類:大分類実施後は,人検出の結果から人の立ち位置を算出し,その座標などからスクラムかモールやラックなのかを分類する. (3)各種条件で撮影された動画像を用いた検証:シーン検出がある程度可能となれば,様々な条件下(天候,場所の変更)で撮影した試合動画を用いてシーン検出実験の実施とシステムの改良を行う.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,物品費が予算より多くなってしまったが,旅費が少なかったためトータルで同額程度になっている.また,人件費・謝金の支出がなかったため,次年度使用額が生じている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,ソフトウェアライセンスの更新などにより,現状として物品費の支出が当初予算よりも増加する予定である.それ以外は予定通り実施するつもりである.
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