2016 Fiscal Year Annual Research Report
The factor of individual difference of the magnitude of decrease in VO2max in hypoxia
Project/Area Number |
26750305
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小川 剛司 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70451698)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低酸素 / 最大酸素摂取量 / 呼吸筋 / トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、これまでの結果をふまえて,呼吸筋を鍛錬することで、高所トレーニングにおいて有酸素能力低下を抑えられるか、高山病リスクが軽減されるかについて検討することであった。実験では、16名の健康な男女が4週間の吸気筋トレーニングを行った。週に4回、呼吸筋力測定による最大吸気圧の50%になるような陰圧負荷をかけながら運動を行った(IMT群)。陰圧負荷をかけないで運動を行うコントロール群(CONT群)と比較し、トレーニング前後で低酸素下での最大酸素摂取量(VO2max)低下の程度が軽減されるかを検討した。吸気筋力はIMT群、CONT群ともにトレーニング後でトレーニング前よりも有意に増加したが、その増加の程度はIMT群でCONT群よりも有意に大きかった。VO2maxはIMT群、CONT群ともにトレーニング前後において、通常酸素(N)条件及び低酸素(H)条件で増加する傾向にあった。低酸素下でのVO2max低下率はIMT群において呼吸筋トレーニングにより小さくなる傾向にあったが、CONT群においてはトレーニング期間後に大きくなる傾向にあった。換気量はN条件及びH条件においてトレーニング前後において、IMT群で有意に増加したが、CONT群で変化はみられなかった。一方で、WOBはVEが高くなったIMT群においても有意な変化がみられなかった。これらの結果から、IMT群においては換気の機械的効率が改善したことが考えられる。疲労困憊までの自転車運動継続時間は、トレーニング前後においてIMT群でN条件、H条件ともに有意に増加し(p<0.01)、CONT群はH条件のみ有意に増加した。これらの結果から呼吸筋トレーニングによって高所での運動能力の低下の程度が抑えられる可能性があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)