2014 Fiscal Year Research-status Report
運動後栄養摂取のタイミングに関する研究-消化吸収活動の観点から-
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26750306
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
鍛島 秀明 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (40714746)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消化管血流 / 消化管運動 / 運動後栄養摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,栄養摂取時の消化管血流と消化管運動の両者を非侵襲的かつ同時に測定する方法の確立を行った。具体的には,消化管血流は超音波ドップラー法を用いて,消化管運動は超音波法と胃電図法を用いて測定した。 被験者は健康な若年男性8名であった。被験者は半仰臥位の姿勢で15分の安静後,ミネラルウォーター350ml(W条件)あるいは8%グルコース溶液350ml(G条件)を経口摂取し,その後120分間の安静を保った。飲料摂取前後に,上腸間膜動脈(SMA)の平均血流速度(BV)と血管径,胃内容排出(GE)および胃の電気活動(EGG)をそれぞれ連続的に測定した。 W条件では,飲料摂取後のSMAのBVは,飲料摂取前と比べて変化がなく,EGGの振幅は飲料摂取後15分目と30分目で有意に増加した。G条件では,SMAのBVは,飲料摂取後15分と30分目で有意に増加し,EGGの振幅は飲料摂取後15分目と30分目で有意に増加した。GEは,W条件に比べてG条件が有意に遅延した。これらの結果は,過去の先行研究とほぼ類似した結果であった。本実験により,栄養摂取時の消化管血流と消化管運動の両者を非侵襲的かつ同時に測定できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の目標は,栄養摂取時の消化管血流と消化管運動の両者を非侵襲的かつ同時に測定する方法を確立することであった。脂質やタンパク質といった栄養素が異なる場合でも,水と炭水化物と同様に測定可能か否かを検討したかったが,それはできなかった。しかし,測定方法の確立という当初の目的は十分に達成されたことから,進捗状況はおおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,運動後,栄養摂取のタイミングに応じて,消化管活動がどのように変容するのかを評価し,消化器系にとって「良い」・「悪い」の栄養摂取のタイミングを探索する。 以下の計画で実験を行う予定である。現在,倫理委員会へ申請するための書類作成ならびに予備実験の準備に取り掛かっている。6月~7月にかけて予備実験を行う。本実験は8月~12月に行う。 実験は合計3回のプロトコールをランダムな順序で行う予定である。被験者は半仰臥位の姿勢で30分間安静にした後,45分間で完了する下肢レジスタンス運動(最大挙上重量の70%・10回8セット)を行う。運動終了5分後(直後),45分後,あるいは90分後のいずれかのタイミングで基準食400kcal(テルミール・ミニ 2箱)を摂取し,半仰臥位の姿勢で120分間安静を保つ。飲料摂取前後に,上腸間膜動脈(SMA)の平均血流速度(BV)と血管径,胃内容排出(GE)および胃の電気活動(EGG)をそれぞれ連続的に測定する。
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Causes of Carryover |
平成26年度の目標は,栄養摂取時の消化管血流と消化管運動の両者を非侵襲的かつ同時に測定する方法を確立することであった。脂質やタンパク質といった栄養素が異なる場合でも,水と炭水化物と同様に測定可能か否かを検討したかったが,できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験被験者および実験補助者への謝金分に余剰が生じたことから,来年度以降,実験回数を増やし,実験被験者と実験補助者の資金に充てる予定である。
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