2014 Fiscal Year Research-status Report
患者・市民のためのeラーニングによるEBM学習ツールの開発
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26750321
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡林 里枝 京都大学, 健康科学センター, 助教 (70526805)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EBM / eラーニング / 健康情報 / 市民 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、患者・市民が身に着けておきたいEBMの項目の検討と、eラーニングの構成・内容の原案を、パワーポイントを用いて作成した。 1.EBMの項目検討 まず患者・市民を対象とした関連する既存書籍・ウェブサイト・論文等を、国内外から精査した。その結果、合計12種類の資料を利用し、項目の検討を行うこととした。次に、各資料から、EBMに関連する小項目を抽出したところ、合計217項目が抽出された。同217項目を似た項目を合体させるなど内容分析し、合計56項目の大項目に分類した。そして同56項目を、健康に関心がある成人を想定し、3つの評価指標(医療職でない一般成人が、①内容を理解でき実行[計算などが]できる、②日常生活で出会う健康・医療情報を批判的に吟味するのに役立つ、③自分でできる範囲のケアを選択するのに役立つ)に基づき、2人の研究者が独立に5点満点(1:不要、2:どちらかというと不要、3:どちらとも言えない、4:どちらかというと必要、5:必要)で評価した。2人の総合得点で点数の高いものから、また議論も経て、ツールに含める18項目を選択した。さらに、多様な場面や立場の者に有用となるよう、4つのステークホルダー(医療者、患者、政策立案者、メディア)から1名ずつ、利用者視点かつ疫学やEBMの既修者をパネルに選び、評価結果について意見を収集した。その上で、疫学・EBMの専門家2名と研究者2名で議論を行い、最終的な項目を決定した。合計、18項目となった。 2.eラーニングの内容、構成の原案作成 構成は、親しみやすく面白いものとなるよう、項目ごとに、①ストーリー、②クイズ(○×)、③解説、④詳説の4部構成とすることとした。内容は、利用者が重篤な疾患はないがセルフケアが必要で健康に関心がある成人であると想定し、ストーリー、クイズ、解説、詳説の原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の当初の予定は、1.患者・市民が身に着けておきたいEBM項目の検討、2.EBM学習ツールの紙媒体での作成が、目標であった。研究実績の概要にも記載したとおり、同2つの事項を実施済みであり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度に作成したeラーニングの内容・構成案を元に、さらに内容を検討していく。また、インターネット上にホームページを開設し、順次内容を加えていく予定である。さらに、EBM学習ツールを使用した際に評価する指標の検討を行う。
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Causes of Carryover |
交付された直接経費は2,500,000円、平成26年度の内定額は500,000円、平成27年・28年度の内定合計額は2,000,000円であった。現時点の見積もりでは、平成27年度以降のeラーニングのウェブぺージ制作に1,700,000円以上が必要となる見込みであり、その他、平成27年、28年の研究に掛かる備品費、消耗品費、旅費、謝金、学会参加費を想定し、今年度、少しでも残金を発生させる必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は7万円程度であるが、平成27年度以降のウェブページ制作に用いる予定である。
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