2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of training tasks focusing on the importance of attention function in resilience
Project/Area Number |
26750322
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井隼 経子 九州大学, アドミッションセンター, 准教授 (70625946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レジリエンス / 注意機能 / 時間的注意 / パーソナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,レジリエンスと注意機能とが私達の認知的資源を共有するのではないかという仮説をもとに,パーソナリティと認知心理学的手法を用いて両者の関係を明らかにした。特にこれまでレジリエンスとの関係が議論されてきたのは空間的注意であったところ,時間的注意を取り上げ,短時間の注意機能がレジリエンスとどのように関係するのかを明らかにしたことは大きな貢献である。実験では注意の瞬き現象を取り上げ,レジリエンスが高い者は気づきもしないような不快情報をレジリエンスが低い者はつぶさに発見することができる,つまり不快情報のキャッチ能力が高いのではないかということを明らかにした。このことは,レジリエンスが低い者は日々の生活の中で常に不快な情報を目にしてしまい,ストレスが減らない状況を作り出すのではないかということを示唆する。これにより,レジリエンスが低い者に対しては不快情報を遮断するようなトレーニングが有効なのではないかと考えられる。 また,レジリエンスが高い者は空間的注意の範囲が広く,注意の処理容量が大きいということがわかった。これは,レジリエンスが高い者は絶対的な認知的処理容量が大きく,共有する注意機能の処理においても広範囲の空間の処理が可能なため,処理の対象が多数に渡り,不快情報を見つけにくくなるのではないかと考えられる。本研究では,空間的注意,時間的注意の両方を高めるようなトレーニングが確立までには至らなかったため,今後も引き続き検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)