2015 Fiscal Year Research-status Report
子どもの身体活動と住環境影響の解明:被災地と被災地以外の追跡研究
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26750323
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
岡崎 勘造 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (40586773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子ども / 縦断研究 / 身体活動 / 座位活動 / 被災地 / 活動量計 / 環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災発生の半年後から,今まで継続的に被災地の子どもの活動状況を追跡し評価してきた。本研究では,被災地以外の子どもと比較検討することで,被災地の子どもの活動状況を明らかにすることを目的とした。最近では,活動状況と自宅周辺環境との関連が注目されており,本研究では,その環境と活動状況の関連に着目し研究を進めている。これら調査活動のデータは,学校現場に還元されており,被災地・子どもの健康支援活動の一助となるところも目指している。 本研究における当該年度の成果は,研究計画に基づき,昨年度同様に,今年度も,被災地と被災地以外の子どもを同時期に調査することができたことである。昨年度と同じ子どもを追跡して調査(縦断研究)できたことは,活動状況の変化と周辺環境について因果的説明を強化できる。国内外において,子どもの活動状況と自宅周辺環境の関連を縦断研究したものは少なく,貴重なデータを得ることができた。これらデータの一部は,国外の雑誌に投稿し,アクセプトされるに至った。 詳細な分析は次年度の課題である。子どもの活動状況の縦断変化に対して,自宅周辺環境が及ぼす要因を明らかにする。このことは世界規模で発生している自然災害後の支援活動を行う上での資料として,あるいは,自然災害後ではない一般地域における活発な子どもを育む方策として,その両方に示唆を与えることを目指す。 さらには,子どもの活動状況を最新の機器を用いて客観的に評価できたことも,本研究の強みの一つと考える。子どもの活動状況を評価するための機器の一部は,本研究費で購入したものである。この機器は,子どもの活動状況について詳細を評価できる機器として国内外に認められている。最近では,子どもの日常生活における活動的な場面だけでなく,座って行う活動と健康との関連が注目されている。この機器は,幅広い活動を評価することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は,申請した研究計画に沿って,2016年2-3月に被災地と被災地以外の子どもを同時期に調査することができたため,おおむね順調に進展していると考える。被災地以外の地域についても,縦断的に追跡調査することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,最終年度のため,得られたデータから研究目的を明らかにすることを目指す。分析の視点は,以下のことを予定している。①被災地の子どもと,被災地以外の子どもの活動状況の比較。②進級・進学などによる活動の持ち越し効果の検討。③自宅周辺環境の違いが,子どもの活動状況に及ぼす影響の検討。これら分析に適した統計解析が何かを慎重に検討することが,次年度の主な課題である。
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Causes of Carryover |
学内競争的研究助成金(1年間のみ)を獲得でき,その予算を併用して研究を進めることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画は,調査活動への予算として活用することを予定している。調査活動の予定は今年度までであったが,次年度も調査活動を行えるように計画・調整している。
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