2014 Fiscal Year Research-status Report
児童の身体活動を推進するための学校内環境要因に着目した効率的な介入戦略の構築
Project/Area Number |
26750326
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 香織 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 次席研究員(研究院助教) (10548697)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 身体活動 / 介入 / 学校 / 環境 / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、休み時間において用具を提供することによる児童の身体活動への効果を検討した。対象は、教育委員会および学校長により本研究の同意が得られた公立小学校2校に在籍する5年生101名とした。2校のうち、調査および介入に協力の得られた1校を介入群、調査は協力するが介入には協力が得られなかった1校を統制群とした。介入校にはバレーボールや楕円球などのボールを用具として提供した。身体活動の測定には加速度計を用い、用具提供前とその3ヵ月後に測定を行った。本研究では、各校の時程に則り2時限目と3時限目の間の業間の休み時間と給食後の昼休みの時間帯の座位行動、低強度身体活動、中等度身体活動、高強度身体活動を評価した。介入校と統制校における用具提供3ヵ月後の身体活動の差を検討するため、性、BMI、用具提供前の身体活動を共変量とした共分散分析を行った。業間の休みおよび昼休み時間において、用具提供群は統制群と比較し、有意に座位行動が低く、低強度身体活動の割合が高かった。業間休みの高強度身体活動については、用具提供群は統制群と比較し有意に低かった。本研究の結果より、わが国の児童を対象に休み時間に自由に使用することができる用具を提供することによる身体活動への影響を検討したところ、用具を提供した群では提供しなかった群よりも身体活動レベルが高いことが明らかとなった。本研究結果は、用具提供によるわが国の児童の身体活動推進への対策を構築する上で重要な知見になると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、環境要因に着目した児童の身体活動を推進するための介入プログラムを開発し、統制群を設定した介入研究によりその効果を明らかにすることを目的としており、この目的を本年度達成することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度は、26年度に測定を行った学校の児童に対し、一定期間あけた再調査により開発したプログラムの長期的効果を検証することにより、本介入内容の精度を確認する。具体的には、長期的効果の検証として、介入終了後6カ月時点において、介入プログラム前後と同様の測定項目を用い、フォローアップ調査を行う予定である。また、他集団における同プログラムの効果の検討により般化可能性を検証する予定である。
|