2015 Fiscal Year Research-status Report
児童の身体活動を推進するための学校内環境要因に着目した効率的な介入戦略の構築
Project/Area Number |
26750326
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 香織 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (10548697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 身体活動 / 介入 / 学校 / 環境 / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度開発した①物理的環境要因に着目した用具を提供することによる児童の身体活動(PA)を推進するためのプログラムを他集団に行うことにより、般化可能性を検討した。また、②社会的環境要因に着目したプログラムとして、始業前の時間帯における運動介入が児童のPAに与える長期的影響について検討した。①では、2校に在籍する57名を対象とし、介入に協力の得られた1校を介入群とした。介入校にはバレーボールや楕円球等のボールを用具として提供した。PAの測定には加速度計を用い、用具提供前と3ヵ月後に測定を行った。本研究では、始業前の朝の時間と昼休みの時間のPAを評価した。介入校と統制校における用具提供3ヵ月後のPAの差を検討するため、性、BMI、用具提供前のPAを共変量とした共分散分析を行った。朝の時間及び昼休み時間では、用具提供群は統制群と比較し、有意にSBが低くLPAの割合が高かった。昼休みのMPAは用具提供群が低かった。昨年度行った本介入のPAへの影響を他集団において検討したところ、昨年度同様用具を提供した群では提供しなかった群よりもPAレベルが高いことが明らかとなり般化可能性が示された。②では、4校に在籍する191名を対象とし、介入に協力の得られた2校を介入群とした。介入前、介入後(T2)、フォローアップ(T3)の3時点に測定を行った。介入校2校に対して、始業前の時間帯に運動遊びの介入を実施した。測定項目及び分析方法は①と同様である。T2では、朝の時間では介入群の方が統制群よりもPAレベルは高かったが、昼休みでは逆の結果となった。T3では朝の時間に介入群はSBの割合が有意に低くMPAが高かった。一定期間の始業前の時間帯における運動介入により、一時的な朝の時間のPA増加だけでなく、介入校におけるPA推進の長期的な効果が認められた。本研究結果は、物理的環境要因及び社会的環境要因に着目したわが国の児童のPA推進への効果的な介入方策であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、物理的環境要因および社会的環境要因に着目した児童の身体活動を推進するための長期的効果および般化可能性を検証することを目的としており、この目的を本年度達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は、児童の身体活動を推進するためのこれまでに開発したプログラムと27年度までに開発したプログラムを合わせ、介入プログラムの費用対効果を分析し各プログラムの効率性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた理由は、本研究成果発表のための国際学会出張が次年度に延期になったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度開催される国際学会に演題登録を済ませ、本研究課題の成果を発表する予定である。
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