2014 Fiscal Year Research-status Report
仕事のパフォーマンスを向上させるセルフケアプログラムの開発と効果検証
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26750327
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
土屋 政雄 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 作業条件適応研究グループ, 研究員 (90582560)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パフォーマンス / 加速度計 / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / マインドフルネス / セルフケア / 職場 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的で掲げた効果評価指標の確立について,候補となる自己評定式の尺度として,計画時にあげたHPQだけでなく,ポジティブな面をより評価できる可能性のある尺度を含め,尺度研究のガイドラインであるCOSMINに準拠して調査を実施した。また,セルフケアプログラムの開発については,労働者のニーズ調査を実施し,複数のデータベースに基づき先行研究のレビューを行い,参考となるプログラム構成を特定した。以下計画別に詳述する。 パフォーマンス評価指標の心理測定学的検討: 調査会社モニターを用いて労働者の対象者を300名募集し,インターネット上の回答により,HPQに加えIndividual Work Performance Questionnaire:IWPQを用いて,ベースラインと2週間後の回答の調査を行った。また,対象者の内9名について,加速度計を7日間装着してもらった。一部の項目については無作為に抽出した60名程度を対象に項目を減らした調査票も実施した。計274名から2回目の調査への回答を得られた(回収率91.3%) パフォーマンス向上プログラムの開発: 先行研究の無作為割付比較試験(RCT)について,MEDLINE(PubMed)およびPsycINFO,Web of Scienceを用い,検索語を特定してレビューを行い,介入内容の特徴についての整理を行った。すでに先行の系統的レビューがあることから,2012年以降の文献に限定し,12件を対象とした。内容は認知行動療法形式が6件,他に瞑想,ヨガ,太極拳,マインドフルネス実践,フルーツの提供,運動の個別プログラムおよび集団でのトレーニング,加速度計装着とWebによるモニタリング,食事と運動日誌報告とWebによるフィードバック,PCによる休憩のリマインダと体操の方法紹介などが見られた。この結果は第88回日本産業衛生学会にてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パフォーマンス評価指標の心理測定学的検討: 効果評価指標の確立のために,より目的に近い構成概念を測定する尺度を追加することで,当初の計画より測定面で有用な調査となった。研究目的に必要なデータは取得できたが,COSMINに準拠した解析を行うため,妥当性のための仮説生成に必要な情報を海外に問い合わせ中であり,信頼性・妥当性のための解析が完了していない。 パフォーマンス向上プログラムの開発: ニーズ調査について研究目的に必要なデータは取得できたが,上述のCOSMINに準拠した解析を行う影響のため,解析が完了していない。プログラムの素案については,働く人向けのトレーニングマニュアルである『The Mindful and Effective Employee』という本が,レビューの結果とも一致し,より対象集団に適していると思われたため,これを軸に構成を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
解析を行うために必要な尺度の情報を早急に取得し,評価指標およびプログラムのニーズ調査の解析を進める。これにより,アウトカムとなる加速度計による客観的指標を用いたパフォーマンスの測定法,およびIWPQ,HPQとの関連について検討する。加速度計のデータは,単に総量だけを用いることに批判があるため,パフォーマンスに関連する行動パターンを測定するための最適な指標化を探索的に検討する。パフォーマンス向上プログラムの予備検討に向けて,まずは標準的な構成のプログラム案をマニュアル化し,これを元に修正・改良を加えていく。プログラムを実施する労働者を募集するために,調査先を探す。
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Causes of Carryover |
その他の費目で計上していたインターネット調査委託費700,000円が,複数社見積もりの結果587,941円で実施できたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パフォーマンス向上プログラムの予備検討を進める際に必要となる物品費として用いる。また,解析を進めるための統計ソフトのバージョンアップ費用に用いる。
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Research Products
(2 results)