2014 Fiscal Year Research-status Report
大学生における運動部活動の継続的な実施が精神的健康に及ぼす影響
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26750328
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中原・権藤 雄一 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (60573764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大学生 / 運動部活動 / 体力 / 精神的健康度 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神的健康の維持・改善は国民にとって重要な健康課題であるが、それは大学生においても同様である。運動が精神的健康に効果的であることが多くの研究で報告されているが、大学生を対象とした研究では、精神的健康度と体育の授業との関連をみた報告は散見されるものの、運動部活動との関連をみた報告は見当たらない。そこで本研究課題では、大学生における運動部活動の実施が精神的健康度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 首都圏の国立総合大学に在籍する1年生を対象に、本年度は運動部活動への加入の有無による違いを検討した。運動部活動に加入している学生37名(加入群:19.1±0.6歳)と加入していない学生37名(非加入群:19.2±1.0歳)に対し、20歳~64歳対象の新体力テスト(6種目)を実施し、合計得点を用いて体力レベルを評価した。また、精神的健康度(GHQ-12、CES-D、K6、SOC)と身体活動量(IPAQ-short version)を質問紙にて評価した。さらに、ストレスの指標として唾液を採取し、コルチゾールを測定した。解析には共分散分析を用い、性別、経済状況、居住構成、中高での運動部活動経験の有無を調整した。 その結果、体力レベルは加入群の方が非加入群よりも有意に点数が高く、GHQ-12、CES-D、K6においては非加入群に比べ加入群において有意に点数が低かった。一方、SOCにおいては両群の間に有意な違いはみられなかった。身体活動量においては歩行の活動量には違いがないものの、中強度、高強度の活動量は加入群の方が非加入群よりも有意に多く、総活動量においても加入群の方が有意に多かった。また、コルチゾールについては現在分析中であり、今後加入群と非加入群での比較の他、精神的健康度との関連についても検討を加えていくことにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動部活動加入群と非加入群が同人数集まり、予定していた測定が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度協力して頂いた被験者に協力依頼を行い、昨年度と同様の時期に測定を実施する予定である。測定が終了した被験者より随時データ解析を行い、1年間にわたる運動部活動の影響について検討する。また、昨年度得られた研究成果について、国内外の学会にて発表を行う。
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Causes of Carryover |
測定が年度末日まで行われたため、唾液の分析が年度内に行えず、その費用が繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度同様、被験者への交通費と謝金の支払い、ならびに昨年度分と本年度分の唾液分析費用に充当する。また、国際学会への参加費用として使用する。
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Research Products
(1 results)